Windowsより馬鹿なAndroid

去年までだったら10月第3日曜日の今日10月21日は、ブラジル南部・南東部・中西部でサマータイムに入って、時計を1時間進める日であった。
しかし、受験生注意!ドタバタ2018/19年夏時間の開始日で紹介したように、今年からは夏時間入りの日は11月第1日曜日となっている。

馬鹿Androidと利口Windows


上の証拠写真に見るように、10月21日にはまだ夏時間には入っていないのに、アンドロイドのスマホは勝手に1時間進んでしまった。
Windowsのパソコンの時刻が正しい。
AndroidがWindowsより馬鹿とは大げさであっても、ブラジルの法令に注意不足だったとはいえるだろう。

次の記事を見つけた。
何時かい?夏時間の始まりを誤り時計を1時間進めてしまう機器がある
Que horas são aí? Alguns aparelhos erraram o início do horário de verão e adiantaram seus relógios
Por: Giovanni Santa Rosa
21 de outubro de 2018 às 2:54

これを読むと、勝手に夏時間になってしまった機器の持ち主は、UTC-3地帯の中で夏時間入りしない都市にローカル変更したり、夏時間の自動設定をオフにしたりしているそうである。
それはそれで構わないのだが、今日から2週間先の本当に夏時間入りする11月4日には、目覚ましを電子機器の自動設定に頼りきらないようにする慎重な注意が、全国中等教育試験(ENEN)の受験生には求められる。
Googleが2週間の間に夏時間の自動設定を含むAndroidの更新を配布して、それが自分の機器に反映されるかどうか全く不明だからである。

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受験生注意!ドタバタ2018/19年夏時間の開始日

これまでと違う2018/19年の夏時間

サマータイムは2018年ENEMの1日目に始まる-各州の閉門時刻をチェック
Horário de verão começa no 1º dia do Enem 2018: veja a hora local de fechamento dos portões em cada estado
16/10/2018 10h43

昨日2018年10月16日の上記報道によると、ENEM(全国中等教育試験)のために2018/19年の夏時間入りを11月18日まで延期するという話は消散した。
2018年11月の第1日曜日である4日を夏時間入りとする政令は既に発布されているが、11月18日とするものは発布を待たれていた。

しかし実際のところ、夏時間入りを2018年11月4日と定めた昨年12月発効の政令に基づいて航空券などが発券されてきたものが、この瀬戸際の時間変更で滅茶苦茶になるという実際的弊害が予見されていた。

教育相による夏時間入り延期の提案について、大統領府は検討したが、受け入れを見送った。
理由として連邦政府は、既に公布されたが一度も実施されていない政令が存在するので、「法律の信頼性」の名のもとに、夏時間入りを11月4日に留め置く決定をした、とある。
要するに変更に関する政令をこの前出したばかりなのに、そう何回も覆せるか、ということだ。

結局ENEMの受験生はどうなるのか。

試験のすべての時間割は、ブラジリア時間と同時に進行することになっている。
もちろん、時間差を利用したカンニングを防止するためである。
しかし試験前日までUTC-3(協定世界時マイナス3時間)であったブラジリア標準時間は、当日はブラジリア夏時間入りのため、UTC-2に変わっていることに注意しなければならない。

  • 試験会場開門 12:00
  • 試験会場閉門 13:00
  • 試験開始 13:30
  • 問題冊子を持ち出し不可の退場許可 15:30
  • 問題冊子を持ち出し許可の退場許可 18:30
  • 試験終了 19:00

だから各地の受験生は、住んでいる場所で夏時間が実施されるかに注意して、試験当日の自分の時間帯を知って、UTC-2との時間差を計算して、UTC-2立てである上の予定表からその時間差を引いて、ローカル時間での各予定時刻を求めればよいのである。

一番守らなければならないのは試験会場閉門で、門が閉まったら無慈悲にも、たった1秒後であっても絶対会場に入れてくれないので、泣き叫ぶ閉め出された受験生を映し出すのがニュースの風物詩である。

だから各時間帯地域の試験会場閉門ローカル時刻だけを示しておこう。
なお引用した元記事には、州ごとの試験会場閉門ローカル時刻が載っている。

  • UTC-2地域試験会場閉門 13:00
  • UTC-3地域試験会場閉門 12:00
  • UTC-4地域試験会場閉門 11:00
  • UTC-5地域試験会場閉門 10:00

受験生も要らぬ苦労をするもので、大変である。

楽しく驚くブラジル総選挙

2018年10月7日はブラジル総選挙投票日である。
4年毎に共和国大統領、共和国上・下院議員、州知事、州議会議員を投票する。
少し詳しく言うと、そのうち定員各州3名の上院議員だけが、他の職の2倍の任期8年のため、2018年は総数の三分の二が改選されるが、前回と次回つまり2014年と2022年の総選挙では三分の一が改選の対象となる。

大統領と州知事のみ、有効票の過半数を得た候補者が出ない場合に、上位2人による決選投票が3週間後に行われることになる。

ちなみに2年後には、市長と市議会議員(いずれも任期4年)の地方総選挙が行われる。
要するに、ブラジルでは偶数年の10月に何らかの選挙がある。

ブラジルの選挙では、統計的なサンプルによる投票意向調査が頻繁に行われて、結果は公表される。
長い軍政時代はともかく、昔は起き得なかったことだと思うが、世論調査がプロフェッショナル企業化していて、主に新聞社やテレビ局のようなマスコミが発注主となり、選挙裁判所の許可を受ければ気軽に行えるようになったため、明文化されていないものの事実上選挙システムと一体化している。
テレビのニュースでは通常、地方版では州知事と州選出上院議員の、全国版では大統領の調査結果が発表されるので、特に投票日直前の結果を参考にして投票行動を決定することができ、どうするのが一番効果的であるか作戦を練るのが楽しい。

特に一発勝負でなく上位2名の決選投票があり得る、投票意向調査が広く発表される大統領と州知事については、意中の候補者が思ったより伸びず、投票が死に票になりそうな場合に、次善の候補者を少なくとも決選投票まで残すために、あるいは死んでも入れたくないという拒否候補を3位以下に落とすために、一番好きなではない候補者に戦略的投票をすることができる。
このように考える有権者が多いために、前日までの投票意向調査と全く異なる開票結果が出てびっくりすることが多く面白い。

今日の大統領選挙については、意向調査と開票結果で順位こそ変わらなかったものの、3位候補者の実際得票率は意向調査とほぼ同じだったのであるが、決選投票に残ることになった上位2位の候補者の得票率は、それ以下、特に4位候補者の票をかなり奪って意向調査結果より共に増加するという開票結果となった。

わが州知事の一次投票結果は、新党新人の意向調査3位候補者が調査終了後に急進して開票結果1位に躍進、意向調査1位候補者は順位を一つ落として両者の決選投票となり、意向調査第2位であった再選を狙う現職州知事の候補を決定的に追い落とすことに成功した。

有名人で言えば、リオデジャネイロ州知事候補で意向調査2位につけていたのは、1994年のワールドカップでブラジル優勝の原動力となったロマリオ現上院議員であったが、土壇場の有権者投票行動の激動によって実際4位まで転落して、決選投票に残ることができなかった。

今日までの結果を見て気づくのは、不正な政治献金で逮捕者・服役者を出した既成政党の衰えである。

ミナス・ジェライス州の州知事選で、調査結果2位の労働者党(PT)の現職州知事は、新党新人の3位候補者が調査終了後に急進して、決選投票から追い出された。

同州の上院議員選では、2016年に罷免された労働者党(PT)のジルマGilma前大統領が、PT内ではクリーンであり、知名度は抜群に高いため、調査結果では1位で上院議員当選が確実かと思われていたものの、調査結果発表を見たアンチPTが発奮したようで、結局4位に落ち上院議員の座を逃した。

このようなことが他の州でも起こっていて、特に割りを食ったのは現職大統領及び前・元大統領が所属するMDBとPT及び最大野党PSDBの3つの、献金漬けでこれまでいい思いをしてきた既成大政党であったのは小気味よい驚きである。

普段見ることのないよその州の選挙結果を見ると、懐かしい人が出てくる。
今回新たな驚きは、1996年と2002年のオリンピック女子バレーボールで銅メダルを獲得したブラジルチームの愛くるしい人気者レイラが、連邦区の上院議員に選出されたことである。
連邦区で初めての女性上院議員であるという。
選挙候補者登録名が「バレーのレイラ」Leila do Vôleiであるのが得点源だったのだろう。

最後に付け加えるが、ブラジルにとって外国である欧米先進国のマスコミが糞であることである。

大統領選一次投票で有効票の46%を獲得した小党PSLの現職下院議員、退役軍人で選挙運動中に刺傷事件の被害に遭ったジャイル・ボルソナロ(あるいはボウソナロ)Jair Bolsonaro候補者は、女性・人種・LGBT差別者で、思想は極右であり、軍政を礼賛する民主主義の破壊者であるからブラジルの将来が不安であるという論調である。
彼と決選投票を戦うことになった、有効票の29%を獲得した2位候補者、フェルナンド・アダジFernando Haddad候補者の所属政党PTは、不正政治献金事件で最も逮捕者を出しているのだが、もし彼が大統領になったとしたら、ルラ元大統領を含むPTの面々を有罪判決して、元大統領自身の署名によって発効した法律に忠実に従って元大統領の立候補を棄却した、大統領制立憲独立国家ブラジルの司法権を無視して、手放しで民主主義の勝利であると、海外マスコミは礼賛するのだろうか。

どこの国でもマスコミは人権擁護に熱心であり、それはマスコミに求められる資質であるが、社会主義国の人権と資本主義国の人権に差をつけるような、ダブルスタンダードを持つマスコミは信用できず、ブラジルはこういうのは全く無視して良いと思う。

これまでと違う2018/19年の夏時間

政府は夏時間入りを11月18日に延期する
Governo adia início do horário de verão para 18 de novembro
04/10/2018 07h27

2008年9月8日政令第6558号(DECRETO Nº 6.558, DE 8 DE SETEMBRO DE 2008)を見ると、ブラジルのサマータイムつまり夏時間の実施規則は、

  • 夏時間入り – 10月第3日曜日の零時
  • 夏時間明け – 翌年2月の第3日曜日の零時
  • 夏時間は通常時間より1時間進められる
  • 夏時間終了日曜日がカーニバルの日曜日と重なる場合は、夏時間終了は次の日曜日となる

と書いてある(修正前後が明示されている)。

2018年の夏時間入りは、これに従うと10月第3日曜日の21日になるはずなのだが、今年はいささか事情が異なる。
2018年10月7日はブラジルの連邦・州総選挙投票日であるが、特に大統領選挙で過半数を取る候補者がいない見込みで、10月第4日曜日の28日に二次投票となる可能性が高い。
そうなると二次投票日は、実施地域においては既に一週間前に夏時間入りしていることになる。

調べたら昨年12月に選挙高等裁判所長官が共和国大統領に、夏時間入りを11月に延ばすことができないか要請して、受け入れた大統領は政令を公布したので、その時点からつい最近までは、2018年の夏時間入りは11月の第1日曜日の4日ということになっていたのである。

テメル大統領は夏時間期間を削減して夏時間入りを11月に移す
Temer reduz duração do horário de verão e muda início para novembro
15/12/2017 19h45

2017年12月15日政令第9242号(DECRETO Nº 9.242, DE 15 DE DEZEMBRO DE 2017)は、先の政令を修正して、今年(2018年)からは選挙のあるなしに関わらず、

  • 夏時間入り – 11月第1日曜日の零時

としている。

まず、どうして二次投票日が夏時間だったら都合が悪いのか。
極めて定住人口の少ない、UTC-2(協定世界時マイナス2)時間帯の大西洋離島部を除いて検証する。

夏時間でなはい通常時間であっても、人口が集中するUTC-3地域から、アマゾナス州西半分とアクレ州のUTC-5まで、2時間の時差がある。
これが夏時間になると、人口が集中するUTC-3地域の南半分がUTC-2に移行するが、赤道に近いUTC-5地帯は夏時間を実施せず時間帯は変わらないので、時差が3時間に増えてしまう。
そうなると大半の地域で投票結果が判明したとしても、得票数の最終結果が確定するのが、夏時間のもとでは通常時間より1時間余計にかかってしまう。
ブラジルは電子投票であり、そのため投票結果は当日の夜半に判明するので、1時間の差は大きいのである。
だから投票開票のある日は絶対夏時間であってほしくない、というのが、夏時間の二次投票日が過去に存在した(はず)にかかわらず、日本であったら選挙管理委員会に相当する選挙裁判所が、大統領に要請した理由である。

しかし、実は変更はこれだけで済まなかった。

連邦大学全てと、一部の州立や私立大学の入試を兼ねる、2018年の全国中等教育試験(ENEM-Exame Nacional do Ensino Médio)の日程は、11月第1週と第2週の週末に当たることになった。
そのため受験生に要らぬ負担を負わせないようにと、今度は教育相が大統領に、夏時間入りのさらに2週間の繰り延べを要請して、大統領は受諾した。

その結果、2018/19年の夏時間は、

  • 夏時間入り – 2018年11月18日の零時に時計を1時間進める
  • 夏時間明け – 2019年2月16日の零時に時計を1時間遅らせる
  • 夏時間継続日数 – 13週間、計91日

となる。

2018年10月17日加筆

夏時間入りの日について、次に見るような大きな変更があった。

受験生注意!ドタバタ2018/19年夏時間の開始日

東京五輪ボランティア募集につまづくか

五輪ボランティア募集ページが複雑怪奇…組織委は早急な対応を! — 音喜多 駿
9/29(土) 17:05配信
というのが、ヤフージャパンのサイトに掲載された。
音喜多氏は、今度の2020年のオリンピック大会の主催都市、東京都の都議会議員である。
五輪大会ボランティア応募フォームの記入が難しすぎると言うのだが、どんなに複雑怪奇なのか記事を読んだ感想を書く。
最初に断っておくが、スマホでなくPCで入力する場合を想定している。

「システムを作っているのは、オリンピック公式ワールドスポンサーのATOS(仏系企業)。
それもあって、デフォルトで設定されている言語は英語です。いや、なんでだよ!!」
と音喜多氏は疑問と怒りを表明するのだが、主催者は一体どれだけ外国人のボランティアを予想しているのだろうか?

参考のためにワールドカップ2014ブラジル大会のためにFIFAが募集したボランティアについてのデータを、過去の本ブログから引用する。
投稿日: 2014年1月18日には、「FIFAの1・2次募集ボランティアの48%は開催都市外からの参加者であり、国外137カ国からの3,980人の応募者トップ10は、Colombia (1,427), USA (772), Spain (760), Mexico (742), Argentina (731), Poland (495), Peru (481), Germany (352), China (335) and Russia (314)とある。」

FIFAの1・2次募集ボランティアの総数が、本ブログの別の記事、投稿日: 2012年8月22日にある、「コンフェデレーションズカップには7,000名、ワールドカップには15,000名が募集される。」と等しいとすると、ボランティアの約半分は開催都市外からの参加者であり、4000/15000=27%、ざっと4人に1人はブラジル以外の外国から参加している勘定であった。

ということは、4人に1人は日本語以外の言語で応募すると考えてよいのではないかと思ったが、隣国が地続きでないからブラジルのワールドカップのように外国人率が高くなることはないだろう。
確かに大半は日本人向けなのであるが、デフォルト言語が英語であっても特におかしいと文句つけるほどのものだろうか。

言語選択問題である。
「言語選択が国旗マークというのも大丈夫なんでしょうか…?」と記事では問題提起をする。

ブラジルで見る多国語サイトでは、例えばポルトガル語、スペイン語、英語、フランス語の切り替えが、ホームページ上右端に並ぶそれぞれ、ブラジルまたはポルトガル、スペイン、イギリス、フランスの国旗アイコンをクリックすることによって切り替えを行うサイトがかなり多い。
国旗マークで大丈夫なのですよ。
他所の国の国旗など皆目わからんという人にとっては全く意味不明だろうが、どんな外国語のオプションがあるかクリックなどしなくても一瞥しただけでわかるから、慣れたら視認性は良い。
言語オプションが数十もあったら使える方法でないことは認める。

年月日入力問題である。
年月日入力の場面で、
「「DDMMYYYY」の意味を若者や老人がどれだけ理解しているのかね?
基本はシステムに携わってる人間じゃないとなかなか理解出来ないとおもふ」
という意見が紹介されている。

確かにシステムに年月日を表示させるフォーマットを指定するときに、このような表記法をよく使うことは認める。
ただ、ブラジルで通常に使われる年月日表記法を使って、今日の日付2018年10月1日つまり、
“01/10/2018”
を、システムに入力するときは、通常のブラジルのサイトの作り方なら、
日をhtmlのセレクトボックスで1から31の中で選択させる→
月をhtmlのセレクトボックスでjaneiroからdezembroの中で選択させる→
年をhtmlのセレクトボックスで1948から2018の中で選択させる(対象が70年以内と仮定)
とするか、唯一つのテキストボックスで、DDMMAAAAとフォーマット指示を付けて、01102018と数字列を入力させるかどちらかだろう。
DDは日(dia)、MMは月(mês)、AAAAは4桁の西暦年(ano)を意味する。

前者のフォームだったら、いちいちセレクトボックスを開いて探してクリックでも良いけれど、すばやく入力したいのなら、0-1-Tab-o-Tab-2-0-1-8とタイプするが、後者だったら0-1-1-0-2-0-1-8だけだからテンキーのみ使ってより早くタイプできて、慣れるとこっちの効率が良い。

一番頭にくるのは、次のような場面である。
長時間かけてページ全部の入力を済ませて次ページに移る進むボタンを押したら、入力データチェックが行われて、訂正の後で再送信をすると、特にパスワード入力欄はリセットされることが多くて、解読困難で強力すぎて自分でも覚えられない長大パスワードを、コピペが効かないから何度も何度も再入力を強制されることである。
また、何ページにも渡って全部の入力に数十分かかるようなときに、進捗パーセントが見えない上に、入力の途中で続きは後でするために、その時点までの入力データをセーブできないつくりの入力システムは辛い。
それほど大事な要件でなかったら、嫌気が差して諦めてしまう。

私自身が、日本から見た海外のサイトの入力インターフェースに慣れてしまったせいで、引用したサイトで酷評された東京オリンピックのボランティア応募ページに、自分で操作してはいないから確実な印象ではないものの、それほど違和感を感じないのだろうか。
でも、あえて言えば、オリンピックのボランティアをしようとする人に、最低の国際的適応性を求めることは間違っているのだろうか?

新幹線の窓を開けて台風を知る

ところ変われば単位が変わるものがある。

最近日本でも米国でも東南アジアでも自然の脅威となっている、台風とかハリケーンでは、その強さの指標の一つが風速である。
ブラジルには台風は来ないが、世界の強大な熱帯性低気圧のニュースは、動画の迫力があって注目を集めるからだろう、こちらの報道でもよく登場する。
ここで気になるのが風速の単位である。

日本の天気報道では、秒速何メートルで表す。
だから、秒速10メートルの風を想像すると、10メートル風上にタバコを吸っている人がいたら、ひとつ数える間に煙が到達するということである。

ブラジルの天気報道では、時速何キロメートルで表現する。
だから、時速60キロメートルの風は、無風状態のなか、時速60キロメートルで走行する自動車の窓から顔を出して前を向いたときに受ける風である。
経験したければ、車があればすぐに実験できる。
当然、安全な場所で安全を確かめて、運転しながらであると危ないから誰かに運転してもらって助手席でやってみれば良い。

さてフィリピンの台風報道である。
超大型台風22号、フィリピン北部に上陸
9/15(土) 7:29配信
これを見ると、超大型の台風22号(アジア名:マンクット、Mangkhut)がフィリピンのルソン島に上陸したという。
この台風は今年発生したなかで最も強力な台風で、風速は70メートルに達しているそうだ。

煙の例で言えば、70メートル離れた人のタバコの煙が1秒で到達する。

同じ台風のニュースがブラジルでは、時速250キロメートルの強風と言われた。
計算してみると250000/3600=69.4になるから秒速70メートルで、同じ台風を指していることが確認できる。

自動車の例を使おうと思っても、時速250キロメートルで走行することなど普通はできないので、別の例にしなければならない。
時速250キロで走っている新幹線から外を見ると、景色が飛ぶように流れるから、仮に窓を開けることができてそこに顔を出して風を受けることを想像したら、ただごとではないことがわかる。

北半球と南半球では海と陸地の様相が異なる上に、偏西風とか海流のような様々な要因が関係していることは想像できるが、南大西洋で発生して南西に向かってブラジルに上陸するような熱帯低気圧は、少なくとも1985年から2005年までの20年間に全く存在しなかった。
もしもあったならば、いったいどんな影響があるだろうか。
ブラジル北東地方の永年的な水不足が解決する自然の恵みになって、ありがたがれる存在となるだろうか?
それとも最近増えた発電風車や諸々の構築物の破壊者になって、忌み嫌われる悪役とみなされるだろうか?

腐肉でも喜ぶベネズエラ人と難民

停電のためベネズエラ人は腐った肉まで買う
Com a falta de energia, venezuelanos acabam comprando carne estragada
Por jornal nacional
23/08/2018 21h00 Atualizado 23/08/2018 21h00

アフリカや中東から難民が押し寄せるヨーロッパがもっぱらニュースとなっているが、世界の中で難民が問題となっているのは、欧州だけではない。
ここ南アメリカ大陸でも、難民問題はますます大きくなっている。
難民送り出し国はベネズエラ、受入国はブラジルを含む周辺国である。

ブラジルでベネズエラと国境を接するのはブラジル北部地方の、一般には辺境とみなされるロライマ Roraima 州と広大なアマゾナス州だけである。
ちなみにロライマ州は他に、南アメリカで唯一英連邦に所属して英語を公用語とするガイアナとも国境を接しているが、ブラジル側の隣州は広大なアマゾナス州とパラ州の二つである。
押し寄せるベネズエラ人難民で国境の町パカライマ Pacaraima や、そこから約200キロ南下した州都ボア・ビスタ Boa Vista は難民受け入れに追われている。

8月17日(金)国境の町パカライマで、ブラジル人商店主がベネズエラ人4人組強盗に襲われて怪我する。
8月18日(土)事件に怒ったパカライマ町民が町内のベネズエラ人キャンプを襲い、テントや所持品に火がつけられる。
8月20日(月)ロライマ州政府が連邦最高裁判所に、ベネズエラ人の移民受け入れを停止するよう請願するが、拒否される。

その後ロライマ州政府の請願に応えた連邦政府は、治安維持のため陸軍と衛生維持のため医療団を派遣して野戦病院のような施設を作り、ロライマ州に入ったベネズエラ人を他の州に移送する手はずも整えている。
ちょうどブラジルの中のロライマ州が、ヨーロッパの中のイタリアの立ち位置となっている。

初めに引用したテレビニュースの記事から書き出しておこう。

ベネズエラ第二の都市マラカイボ Maracaibo では、一日に5,6時間停電する。
そのため肉屋の冷蔵庫も冷たさを保てない。
肉屋は傷んだ肉に特売価格をつけて、「レモンと酢で洗えば大丈夫」といい加減で無責任な説明をして売りさばいている。
腹をこわす人が少なくないはずなのだが、それでも買っていく人がいるのは、市場に肉が不足しているからだ。
衛生管理をする役所も機能していないのだろう。

2018年の予想インフレ率は百万パーセントであり、ニコラス・マドゥロ政府はこのほど5桁デノミを実行して通貨呼称をボリヴァル・ソベラノ(bolívar soberano)として、同時に最低給料を3400%調整した。インフレ予想が一万倍なのに給料調整が35倍で、何の意味があるのかよくわからない。
本ブログの「ブラジル驚愕高金利は踏み倒すが勝ち」の数式を使って、一体どれくらいの期間を置いて給料35倍調整をすれば、年間インフレ百万パーセントに追いつけるのかを計算したら、一年に2.57サイクル、つまり4か月20日ごとに同率の調整が必要であることがわかった。

ボリヴァル・ソベラノを石油と連動する通貨と言っているのもわけがわからない。
そういえば、ベネズエラ政府が石油を裏付けとする仮想通貨を発行するような話もあって、ペトロという名前がついていたような気がする。
石油と兌換なのだろうか?
原油をもらっても仕方ないが、ガソリンなら役に立つ。
石油製品への補助金も見直して、世界で最も安いガソリン価格も調整された。

今日8月27日のニュースでは、ICチップの場所に金を嵌め込んだ?ような珍奇なカードを手にしたニコラス・マドゥロ大統領が、ベネズエラ国民は金を買えと、また不可解な発言をしていた。
もう何でもありのようである。

これまで230万人のベネズエラ人がすでに祖国を後にした。
その90%は周辺国へ移動した。
国連によるとブラジルは4月までに5万人を受け入れたが、全難民の2%にすぎない。
受入国ナンバー1はベネズエラの左隣にあるコロンビアで約87万人、第二位がコロンビアの向こうにあるペルーで35万4千人を超える。さらに離れたチリ(10万6千)とアルゼンチン(9万5千)がそれぞれ10万人ほどを受け入れた。

ブラジル人はパスポート無しで、ブラジル政府発行の身分証明書だけで南米大陸どこでも旅行できるのだが、大陸内の他の諸国も同様の権利を持っている。
しかし、きりのない難民に業を煮やしたエクアドルやペルーなどは、ベネズエラ人にパスポート携帯義務を課す動きが出てきていて、これには国連が反対している。
国連は反対するのだが、どうすれば良いと言うのだろうか?

大金を払って陸を離れる前から半分沈んでいるような船にようやく乗せてもらい、地中海を決死の旅をするアフリカ難民と違って、ベネズエラからブラジルやコロンビアへの旅は陸路だから、トランクを引きながら子供を抱えたりしてとぼとぼやって来て、ブラジルに着く頃にはかなりぼろぼろになって到着する。
いや、金のない連中はもとからぼろぼろなのだろう。

ベネズエラでは予防注射が徹底していないらしいので、国境の町ではさっそく難民に防疫のため黄熱やはしかのワクチン予防注射を行っている。
マラリアも心配される。
薬品や医療が十分でないベネズエラの妊婦は、ブラジルにやって来て出産することを夢見るので、パカライマの産婦人科病棟の70%はベネズエラ人に占められベッド数定員オーバーとかも問題になっている。

コロンビアやペルーの報道を見ないと、これら同じスペイン語を話す国々でのベネズエラ人の難民の状況がどうなのかはわからないが、言葉が通じやすい点はともかく、他の状況は似たようなものではないか、いやコロンビアへはブラジルの18倍もの数のベネズエラ人が押しかけるのだから、もっと混乱しているものと思う。

ブラジル政府によると、ベネズエラ人は国連発表の5万人ではなく、2015年から現在まで既に6万人以上ブラジルに入っていて、難民認定を求めているという。