セマナ・サンタ(聖週間)はいつ始まりいつ終わるのか

セマナ・サンタ(semana santa)つまり聖週間は、復活祭直前の一週間である。
こう書くとずいぶん簡単に説明できるのだが、そうもいかないようだ。

復活祭の日付は、春分の日の後の、最初の満月の、次の日曜日に当たる。
だから
カーニバル(carnaval 2012年は2月21日火曜日に先立つ週末からの4日間)、
灰の水曜日(quarta-feira de cinzas 2012年は2月22日水曜日)、
四旬節(quaresma 灰の水曜日から復活祭前日までの期間)、
枝の主日(domingo de ramos 2012年は4月1日日曜日)、
聖週間(semana santa)、
受難金曜日(sexta-feira da paixão 2012年は4月6日金曜日)、
復活祭(páscoa 2012年は4月8日日曜日)
と連なるキリスト教行事の日付は、毎年、天体の月の動きに応じて移動する。

2012年の復活祭は4月8日である。
ブラジルのカレンダーを見ると春分の日(3月20日)の次の満月は4月6日金曜日なので、その次の日曜日は2日後の4月8日が復活祭に当たる。
ここまでは疑問は全くない。

聖週間の始まりは何日か?終わりは何日か?
調べてみると、2012年の場合で4月1日の日曜日からというサイトと、4月2日の月曜日からというサイトが混在していて困ってしまった。
いずれもブラジルのサイトであるが、統一意見がない。

困ったときのWikipediaだが、これも統一されてなくてよけい困ってしまう。
こちらでは聖週間の最終日が異なっている。

ポルトガル語の”Semana Santa”では、枝の主日から復活祭までの日曜日から日曜日の8日間である。
スペイン語の”Semana Santa”でも同じだ。

しかし日本語の「受難週」では、枝の主日から聖土曜日までの7日間になっている。
英語の”Holy Week”も同様だ。
丁寧にも、”It does not include Easter Sunday.”と書いてある。

バチカンに近そうなイタリア語に助けを求めた。
“In tutto il mondo, i cattolici chiamano Settimana Santa il periodo, da Domenica delle Palme al Sabato Santo, che precede la Pasqua, …”
聖週間は棕櫚の主日から復活祭に先立つ聖土曜日、と書いてあるようだ。

スペイン語版とポルトガル語版だけが、聖週間の終わりを復活祭当日としている。
新世界に渡ってから拡大したのだろうか。
けっこういいかげんなものだ。

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金髪女性ギャング団の跋扈

「金髪女性ギャング団(gangue das loiras)容疑者がサンパウロで捕まる」
金髪女性ギャング団って何だ?
わけのわからない見出しにひかれて開いた記事だ。

サンパウロの民事警察(Polícia Civil)誘拐対策第3分署がパラナ州警察の協力を得て、3月9日に金髪女性Carina Vendramini(25歳)を犯罪団の一味である疑いで逮捕した。
この犯罪団は2008年からサンパウロ、リオデジャネイロで住宅・コンドミニアム強盗や、電撃誘拐(sequestro relâmpago)を働いてきた。
一味は男一人と6人の女性(一人は身元不詳)で構成され、ショッピングセンターや駐車場で女性やお年寄りを対象に電撃誘拐を続けてきた。
その件数は50を超す。
6人の女性のうち5人は金髪で、常にこぎれいな身なりで、中上流の女性に見えたという。

電撃誘拐という言葉であるが、数時間から何日もわたる長期間、被害者を拘束して家族に身代金を要求する普通の誘拐に対して、例えば銀行から出て来る被害者を襲い、長くて数時間の間拘束して、その短時間で奪ったキャッシュカードやクレジットカードと暗証番号を使い、現金引出しや商品購入を行う犯罪行為をさす。

盗んだクレジットカードで買い物をする犯人が、商店の防犯カメラに撮されていたが、一味が狙う被害者は彼女ら自身と姿が似た、若いきれいな中流以上の女性だったうえに、一味の女性は感じがよく、会話がうまく、店員に好印象を与えたので、奪ったカードで買い物をするときに店員は何の疑いもいだかなかったという。

(iG São Paulo | 20/03/2012 08:00
http://ultimosegundo.ig.com.br/brasil/sp/policia-prende-supeita-de-integrar-gangue-das-loiras-em-sao-paul/n1597700996070.html)

一味の首領格の夫婦が逮捕された。

サンパウロ警察は、この2ヶ月間ずっとこの夫婦を追い続けていた。
変装してブラジル北東(nordeste)地方へ逃亡する直前だった。
ただ一人の男性であるWagner Oliveira Gonçalvesと、その妻Monique Awokiである。
モニキは金髪女性ギャング団の女性6人の中で、唯一黒髪の女性だ。
その苗字から見ると日系のようである。
こんなところで日系が目立っても困るのだが。

(サンパウロ警察は金髪女性ギャング団の首領を逮捕 – Globo Jornal Nacional Edição 22 de março de 2012 及び
金髪ギャング団-4人は未だ捕まらず http://www.band.com.br/noticias/cidades/noticia/?id=100000493185を参考)

ここからは与太話だ。

ブラジルには金髪女は頭が空っぽという俗説がある。
どこからこの俗説が出てきたのかは知らない。
地方によって肌の色、髪の色の分布は大きく異なるのだが、染め上げた金髪はいくらでもあるけれど、地のきれいな金髪はなかなか無いものだ。
そこでなかばヤッカミで俗説ができたのではないか、と聞いたことがあるが、これも俗信かもしれない。

しかしここでこのニュースだ。
ただ一人の男性と日系らしい女性が、他の5人の金髪女性を実行犯として犯罪をやらせていたような構図が浮かび上がる。

やはり金髪女性はオツムが少々弱いのだと誰かが言い出しそうだ。

UTCとGMT、Windows 7とVista

ブラジルの夏時間(horário de verão サマータイム)が終わって3週間目の週末になる。
「今日終わるブラジルの夏時間」というのを書いてから、引っかかっていたことがすっきりしたのでここに書いておこう。

Windowsパソコンにおけるタイムゾーンの設定を調べたときに、ブラジリアはGMT-03:00となっていたので、記事にはそのまま写した。
しかしこれは最近はUTCというのでなかったか?

今日になって別件でタイムゾーンを調べていて、Wikipediaで世界地図をみた。
タイトルに”Coordinated Universal Time (UTC) formerly Greenwich Mean Time (GMT)”とある。
やはりそうか、GMTというのは少し古い言いかたで、最近はUTCというのだ。

当パソコンのOSはWindows Vista日本語版だ。
タイムゾーンの設定には、確かに(GMT-03:00)ブラジリアと表示されている。
使用用語にうるさそうなMicrosoftがGMTという古い用語を使っている?

別のパソコンのWindows 7英語版を見た。
Windows 7では(UTC-03:00)Brasiliaとなっている!

機能的には全く影響のない、単なる表示の問題だが、こんなところにもVistaと7の違いがあったのだ。

日本語で協定世界時、英語でCoordinated Universal Timeといわれるものの略語が、なぜUTCになるのか?
Wikipediaによると、「国際電気通信連合 (ITU) では、協定世界時の略称は1つだけにしようと考えていた。」とある。
フランス語ではTemps Universel Coordonné
イタリア語ではTempo Coordinato Universale
と、語順が異なっているので、そのまま略すと略語も異なってしまい、非常に不便だ。

南アメリカ関係言語では何というか。
スペイン語 Tiempo Universal Coordinado
ポルトガル語 Tempo Universal Coordenado
フランス語と語順は同じだ。

ここで例にあげたのは6か国語だけだが、どの固有の言語の略語もUTCと一致していないのが、公平感があってよろしいのでないか。

Windows 7のタイムゾーン設定にある、ブラジルの都市、その属する地方と夏時間の有無は次の表になる。

時間帯 都市 地方 夏時間有無
UTC-04:00 Manausマナウス AMアマゾナス 北部 なし
UTC-04:00 Cuiabáクイアバ MTマット・グロッソ 中西部 あり
UTC-03:00 Fortalezaフォルタレザ CEセアラ 北部 なし
UTC-03:00 Salvadorサルバドル BAバイア 北東部 2010/11年なし
2011/12年あり
UTC-03:00 Brasíliaブラジリア DF連邦区 中西部 あり

偽造身分証明書にジャック・ニコルソンの写真

先週のニュースから。

詐欺師Ricardo Sérgio de Barrosがペルナンブコ(Pernambuco)州都レシフェ(Recife)で、偽造身分証明書を使い銀行口座を開設しようとしたところを逮捕された。
多数の偽造身分証明書が押収されたが、その中になんと、俳優のジャック・ニコルソン(Jack Nicholson)の写真を貼ったものがあった。

普通の人の考えでは、偽造身分証明書とか偽造パスポートというものは、普通自分の顔写真を貼り付けるものではないのだろうか。
それでなければ偽造する意味がない。
女性アナウンサーは、「全然似ていないわ」と言った。

この男は一体何を考えていたのだろうか。
ジャック・ニコルソンの写真を偽造身分証明書に貼って、何か利点があるのだろうか。

この詐欺師は41歳という。
詐欺師としての経験年数は、報道では明らかにしなかった。
この詐欺師には、独特な詐欺師の方法論とか信条があるのだろうか。
それとも単なる映画マニアで、ジャック・ニコルソンに心酔していたのだろうか。

全くわからないまま、ニュースを見ながらただ笑うしかなかった。

ブラジルではマルチSIM携帯で通話料節約

ブラジルの携帯電話事情である。
ブラジルの携帯電話キャリアは全国展開するVivo, TIM, Oi, Claro、加えて地方限定的なCTBC, Sercomtelなどがある。

ブラジルで、2個以上のSIMカード(Subscriber Identity Module Card)を使う携帯電話機器の売れ行きが急増している。
ブラジルではSIMカードに当たる単語”cartão SIM”はあるものの、普通チップ(chip)という語が使われ、シッピと発音される。
チップ2個から4個まで搭載可能な、複数SIMカード携帯電話機器の2011年の売れ行きは、2010年比で780%と急増した。

普通契約するキャリアが一つなら、SIMカードスロットは1個あれば十分と思うだろうが、ブラジルの事情がある。

ブラジルの大部分の携帯電話の支払形態はpré-pagoつまりpre-paidプリペイドである。
そして、どの携帯キャリアも、自社の携帯同士の通話は無料とか(pós-pago=後払いの場合-基本料金があるから)、一通話定額(pré-pago=先払いの場合)とかで、非常に割安であるのに対し、他社の携帯にかける場合には通話料が急増する。
異なるキャリアへかける通話は、1分あたり0.42レアルの接続料金がかかる。
国立テレコミュニケーション庁(Anatel – Agência Nacional de Telecomunicações)は、接続料金を2014年2月までに、R$0.31/minにまで下げる決定をした、

何とかして通話料を下げたい消費者は、複数キャリアのプリペイドSIMカードを持ち、通話相手に合わせて同じキャリアのSIMカードを選択して通話する方法を取るわけだ。

ブラジルの携帯電話の番号体系であるが、日本のものと全く異なる。
フォーマットは固定電話のものと同じである。
つまり、0+キャリア識別2桁+市外局番2桁+局番4桁+番号4桁が完全形で、市内通話なら局番+番号の8桁数字でかけられる。
どこで携帯と固定を区別するか?
携帯の局番の第1桁は6から9までで始まる。
つまり、6xxx-xxxx, 7xxx-xxxx, 8xxx-xxxx, 9xxx-xxxxなら携帯というわけだ。
しかし、話をややこしくするのはサンパウロ大都市圏(市外局番11)の事情で、5xxx-xxxxの番号は固定電話であることもあるし、携帯電話であることもある。

以前は局番をみればどこのキャリアかが推定できたのであるが、番号ポータビリティが導入されてから、番号を見ただけではどこのキャリアかがわからないようになってしまった。
記事で3枚のSIMカードを使い分ける利用者が言っていたが、最初は混乱したがだんだん慣れた、と言っていたのはこういう理由なのだ。
番号を見ただけではキャリアがわからないからだ。
SIMカードと同じキャリアの番号にかけると、案内音を出すようなのだが、最初にかけるときはめくらでかけることになる。
こういったサイトがあって、かける前にどのキャリアか調べることはできる。

最近のタクシーの運転手などは、Oi xx-xxxx-xxxx, TIM xx-yyyy-yyyyといった具合に、利用者の利便を考えた、複数のキャリアの携帯番号を名刺にのせている。

複数のSIMカードを搭載できる機器には、国産の正規なメーカーの製品もあるのだが、安いものの多くは中国から入ってくるもので、インターネットで簡単に購入できる。
しかし、インターネットで購入した輸入物の中には密輸品も混じっており、粗悪な製品が多く、保証が全くつかないものがある。
ブラジル政府は、中国から入ってくる、このようなマルチSIMカードの機器を規制したい意向だ。
キャリアの企業団体、Sinditel Brasilは、消費者はもちろんマルチSIMカード機器を選ぶ自由はあるのだが、機器には規制、つまりAnatelの認証がかけられるべきと考えている。

(Brasileiros usam celulares com dois chips para economizar no fim do mês
29/02/2012 13h50 – Atualizado em 29/02/2012 14h02 を参考にした)

どうしたんだ、ブラジルとFIFA

ワールドカップ2014ブラジル大会についてだ。

World Cup 2014: Brazil to boycott Fifa’s Jerome Valcke
3 March 2012 Last updated at 16:29 GMT http://www.bbc.co.uk
これはBBCの見出しだ。
Jerome ValckeはFIFAの事務局長で、何度もブラジル視察を行なっているおなじみの人物だ。

Brasil “não aceita mais” Valcke como interlocutor para Copa, diz Rebelo
iG São Paulo* | 03/03/2012 11:34 http://www.ig.com.br
これはブラジルのポータルiGの見出しだ。
BBCの見出しと同じ内容を言っている。
「Rebeloが言った。」のRebeloとはブラジルの現スポーツ相(ministro do esporte)、アルド・レベロ Aldo Rebelo氏をさす。

FIFA事務局長Jerome Valckeが金曜日に何を言ったのだろうか。

「ブラジルはワールドカップを開催することに注力しているのか、それともワールドカップで優勝することを心配しているのか?
南アフリカは開催することに集中して、勝つことは考えていなかった。」

南アフリカとブラジルでは事情が違うと思うが。

簡単にいえば、Valcke氏は、ブラジルのスタジアム・空港・ホテル・連絡交通機関などインフラ工事の遅れを指摘して、さらにワールドカップの方針を規定するワールドカップ総合法(Lei Geral da Copa)が未だに議会で承認されていない、何でもかんでも遅れている、と批判した。

そのJerome Valcke氏の言葉の中に、ブラジル側にとってみたら攻撃的で許されない罵りがあったというのだ。

BBCから抜粋 Jerome Valcke had said Brazil needed a “kick up the backside”.

iGからから抜粋 “Têm que se apressar, colocar a casa em ordem e organizar este Mundial. Vocês precisam de um impulso, é preciso dar um pontapé na bunda e organizar esta Copa”

問題になっているのは、元の発言が何語で行われたのか知らないが、”kick up the backside”、”dar um pontapé na bunda”、「ケツに一蹴り」という表現らしい。
ポルトガル語訳では、”chute no traseiro”という表現も出ている。
意味は同じだ。

これについていろいろ意見はあるだろうが、現在連邦下院議員である90年代の名選手ロマリオが冷静にまともなことを言っていると思う。

Romário chama Valcke de mal-educado, mas apoia suas críticas ao país
EFE | 03/03/2012 10:29
「ロマリオは、Valckeは無作法とするが、彼のブラジルに対する批判を支持する」

ロマリオはTwitterに次の文を載せた。
“Considero que essa expressão foi, pelo menos, mal educada”, mas Valcke “tem 100% de razão quando diz que o Brasil está atrasado”
「この表現は、少なくとも、無作法と考える。しかし、Valckeが、ブラジルは(いろいろな準備が)遅れていると言ったことについては、100%言い分は正しい。」

ロマリオは決してFIFA一辺倒ではない。
FIFAの意向より、ブラジルの主権が上位に位置すべき、との意見を持っている。
例えば、ブラジル法で禁止されている場内でのアルコール飲料の販売には、ロマリオも反対している。

とにかく冷静な意見を言ってくれたロマリオよ、頑張ってくれ。
カッカして喧嘩する時でないだろ。
早くワールドカップ総合法を成立させないと、FIFAは入場料を発表してくれない。
ブラジル立法によるワールドカップ総合法の成立、FIFAによる入場料の発表が予定されているのは今月、2012年3月である。

[2012年3月5日追加]
Jerome Valcke氏は、ブラジルの抗議に応じて失礼な発言を謝罪した。
元の発言はフランス語で行われたのだが、フランス語でこの表現はせかせる場合に軽く使われるのだという。
「ケツに一蹴り」ではなく、「おしりを一押し」位になるのだろうか。