サンパウロ国際空港アクセス鉄道開通

大都市の空港と都心が必ずしも鉄道で結ばれているわけでないのは、特にブラジルではかなり当然の事実である。

行政区域ではサンパウロの隣にあたるグアルーリョス市にある、サンパウロのグアルーリョス国際空港(空港コードGRU)は、2018年3月末日から鉄道線の運用が始まる。
といっても最初は運転時間の限られた試運転である。
無料である試運転の乗車はできる。

概要

線名はサンパウロ大都市圏鉄道会社(CPTM)の13号翡翠(ひすい-Jade)線
全長12.2km
3駅

  1. Aeroporto-Guarulhos駅=空港駅
    歩行者通路を渡ってから、3つあるターミナル間を連絡する無料バスに乗り換えと書いてあるのだが、どれだけ歩かされるのかは不明である。
    駅にカートが置いてあるのかも不明。
  2. Guarulhos-Cecap駅
  3. Engenheiro Goulart駅
    CPTM 12号サファイア(Safira)線に接続。

2018年4月

上記3駅区間を運行。
土曜・日曜10時から15時まで30分毎、所要時間15分、無料。
都心からEngenheiro Goulart駅までは4レアル。

2018年5月

上記3駅区間を運行。
全日10時から15時まで、無料。

2018年6月

全日4時から24時まで。
Connect(なぜ英語なのか?外国人を意識しているのだろう)運用開始
12号線ブラス(Brás)駅から空港駅まで直通各駅停車35分、4レアル。
路線図をみると、12号線はブラス駅の他に、タトゥアペ(Tatuapé)駅でメトロ3号赤線に乗り換えできるようである。
どこで乗り換えたら乗り換え時間が短いとかの詳しい情報は、そのうちにサンパウロ住民が知らせてくれるだろう。
CPTM 13号線が他の路線と一緒の料金体系なら、都心まで4レアル一貫で行けるはずであるが不明。

2018年7月

全日4時から24時まで。
Airport-Express(これまた英語)運用開始
ルス(Luz)駅から空港駅まで直通35分、たぶん15分毎、4レアルより高いだろうが運賃未定。
ルス駅ではCPTM 7号ルビー(Rubi)線、CPTM 11号珊瑚(Coral)線、メトロ1号青線、メトロ4号黄線に乗り換えできる。

昨日までの都心から空港まで最安運賃と比較してみる。

これまで

セー駅-タトゥアペ駅 メトロ3号赤線 R$ 4.00
タトゥアペ駅バスターミナル-空港前 EMTUバス257番 R$ 6.15
合計 R$ 10.15

これから

13号線がCPTMの他の路線と同じ料金体系と仮定して、メトロとCPTMの無料乗り換えを使えば、1回料金でよいはずである。
セー駅-ブラス駅 メトロ3号赤線 無料乗り換え
ブラス駅-空港駅 CPTM 12・13号線(直通・乗り換え)
合計 R$ 4.00

2000年の最初の公約では2005年開通予定だったものが無理で、2007年の州新政府は2010年までできると約束した。
2009年になると、2010年では無理だ、2014年のワールドカップまでには間に合わせると言い換えた。
民間部門が引き受けたがらずに公約は霧散した。
2015年州政府は2017年末までという目標を出していたが、2017年9月になって完成予定を2018年3月に延ばされたものが、最終日に滑り込んだ格好である。

Trem que leva ao Aeroporto de Guarulhos começa a circular neste sábado
を全面的に参考にした。
記事に写真と路線図がある。

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リオ宛小包に暴力割増料金

2018/03/02に1レアル=約33円

現代ポルトガル語辞典(白水社)から:
a intervenção 連邦政府の州政への干渉
o interventor [非常事態に大統領が州に派遣する]執政官、臨時行政官

1年半前の2016年8月に、美しい、魅惑の、すばらしいその他ありとあらゆる形容詞で賞賛される、この有名な観光地でオリンピックが開かれたことが、奇跡としか思えない。

先月(2月)カーニバルが暴力にまみれて終わった直後に、リオデジャネイロの治安が急激に悪化したことを理由に、連邦政府がリオデジャネイロ州政府の治安に介入を決定した。

“O interventor federal na segurança do Rio, general Walter Souza Braga Netto”
新聞の記事に書かれるように、連邦政府が州政に介入するのは保安部門だけであるが、執政官の肩書名称からわかるように、ブラジル陸軍東部方面司令官を兼任する将官であり、インタビューには迷彩服で出てくるから異様ではある。

この介入決定は戒厳令などには至らないがその一歩手前であって、これが発効している間は、改憲は不可能であると憲法に定められる。
そこで4年に1度の大統領・上下院議員・州知事・州議員の選挙が今年後半と近づいてきて、改憲を必要とする不人気な社会保障改革を無理と見た連邦政府が、断念する言い訳にリオの治安悪化を、人気回復を兼ねて一石二鳥を見込んで当てつけたもので、十分に政治目的と言えるのだが、ここでは問題にしないでおこう。

表題の話である。
2018年3月からブラジル郵便(Correios)は、リオデジャネイロ市をあて先とする小包に3レアルの特別割増料金をかけることにした。
理由として小包、郵便配達人、配達車それから郵便局自体を強盗や略奪から守るコストが大きいという。
今までも危険地区に住んでいると、配達人の身の危険から郵便物を配達してくれず遠くの局留めになっているが、これからはカリオカ(リオ住人)にとっては、インターネットでの買い物が高くなって余計に不便になる。
しかしリオデジャネイロ市の治安が改善したら、この「暴力非常割増料金」は廃止されるだろうと郵便局はこのページで説明している。
郵便局自体は、「暴力非常割増料金」とは言わないで、「非常時の取立て」という表現を使っている。

昨日のニュースで、リオで一か所での歴代最大?のコカイン発見が報道された。
重量は1.2トンという報道もあるが1.5トンで、いくつもの旅行バッグに入れられてコンテナ内の建材の奥に隠されていた。
真空パックされていて、二重包装の間には正確にどれか忘れたけれどオレガノのような香辛料を入れて、麻薬探知犬の嗅覚をごまかそうとしていた。
コカインのルートは、生産地コロンビアやボリビアから、長大な国境を越えてブラジルに陸路で入り、リオデジャネイロまで運ばれてからは海路か空路で欧州に運ばれるのだという。
くだんのコカイン入りコンテナはベルギー・アントワープへ運ばれる予定だった。
この1.5トンのコカインは濃縮されているのだろうか、消費者向け製品にすると10トンになって、2億レアルの価値を持つそうである。

一方でこんなニュースもあった。

路上で検問を行っていたリオデジャネイロ州警察の警官二人が、不審な運転手の不審な車を調べたら現金180万レアルが積まれていた。
不動産を売った代金だと言うのだが、どこのどんな不動産か説明できなかった運転手は、見逃してもらうために80万レアルを差し出したが、二人の警官は贈賄その他の容疑で早速逮捕した。
見逃し料としては桁違いであると思うが、こういう人達がいるからこそブラジルが住むところとして魅力を失わない支えになっているのだろう。

連邦政府のリオデジャネイロ州治安介入は今年いっぱい継続するそうだが、リオ宛て小包の暴力割増料金が廃止されるのはいつのことになるだろうか。

なお日本郵便のページによると国際小包(ブラジル全国が第4地帯)、EMS(ブラジル全国が第3地帯)には、この暴力割増料金の適用はない。

2018年5月5日追加

郵便局のリンクが切れているが、調べてみたら「暴力割増料金」は、実施したその週に裁判所が差し止めて、結局今は実施されていない。

以下の数字を実際生活の中で参考にすることはまずないと思うし、あったら人生終了に向けてまっしぐらだろうが、単なる参考として計算してみた。

上の記事では、1.5トンがヨーロッパで小売製品化すると10トンにまでなって、それが2億レアルとなっているから、1レアル=30円として計算すると60億円、つまり1グラムは20レアルで600円である。

別の記事のうろ覚えで数字が合っている確信はないが、別地域のデータがある。
中国で過去最大のコカイン摘発があって、そのときの重量と価格は、1.3トンが170億円となっていたとメモに書いてある。
つまり、1グラムは13,077円である。

欧州と中国のコカインの小売値段に20倍以上もの差がありすぎるのだが、大中継地かつ大消費地であるブラジルの実勢価格は、死を覚悟で持ち込まなければならない中国よりもヨーロッパのものに近いのだろう。

traficanteと呼ばれる密売人に聞けば解決するのだが、知り合いにはいないし、密売組織と警察両方から潜在的使用者とみなされても困るので止めておく。