2013/14年夏時間の終わりに

昨日の2014年2月16日日曜日午前0時、2013/14年ブラジル夏時間が終了した。
きちょうめんな人がその時間に起きていたならば、家中の時計の針を1時間戻して午後11時に合わせたことであろう。
普通の人なら翌日ゆっくり起きて、というのも、これまで6時に起きていた人は、「あっ6時だ起きなければ」と思った時は、夏時間は終わっているので実は5時である、ということで1時間よけいに寝ることができるからだ。
そして日曜日の昼間に、時計の針を1時間戻す作業をすることになる。

「時計の針を1時間戻す」作業といっても、時計だけではない。
現在は、アナログの針など存在しないデジタル機器がたくさんあるので、単純作業で済まない。
スマートフォンならば、タイムサーバと同期して自動的に夏時間終了作業をしてくれると思うが、家にある古い携帯電話、コードレスフォン、デジタルカメラは、人手で時刻合わせをしなければならない。
コードレスフォンは着信記録のため、デジタルカメラは撮影時刻記録のために内部時計がある。

アナログ時計の時刻合わせのために、説明書を見なければやり方がわからない、ということは絶対にない。
時計の裏側の時刻合わせのつまみはたった一つしかないので、どうしても間違いようがない。

しかしデジタルはそうはいかない。
マニュアルが手元にない場合は、どこかにあるメニューボタンを押して、出てくるメニューを一つづつたどりながら時刻調整にたどり着くのが大仕事である。
それから時間の数字を1つ減少して確認操作をしてからメニューから抜けださなければ終了しない。
各種機器に共通な標準操作というものがないので、一つ一つの機器に前回行った、つまり夏時間入りした昨年10月の時刻合わせを思い出すのが大変だ。

昔のパソコンのシステム時計は、あてにならないものの代表で、頻繁に時刻合わせが必要だったと思う。
きょうびのパソコンは、ネットにつながっていれば、どこかにあるタイムサーバに連絡して正確な時刻を取ってきてくれる。
昔一番手がかかったものが、今は一番手がかからなくなっている。

Windowsパソコンの右下にある時計をクリックして出る、日付と時刻の設定の画面は、2013/14年夏時間最後の先週土曜日、2月15日にはこのようになっていた。
予告が出ることには先週まで気付かなかった。
DateTimeWindow01
四季がはっきりしていた少し前までの日本では、衣替えを決まった日に行っていた家庭はきっと多かったと思う。
制服を着る職業の人は現在でも決まった日に夏服・冬服に替えることになっているはずだ。
最近のように夏と冬が厳しく長く、春と秋があっという間に過ぎ去るような、不規則な気候の日本では、いつ衣替えをしてよいのかわからない人が増えているのだろう。
夏時間入り・夏時間明けは、春夏秋冬が暦の上にしかなく、大雑把に乾季と雨季に分かれるブラジルの南東部にとっては、強制的にやらされる衣替えといったところだ。

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スタジアムでは絶対サルの真似はするな

ブラジルのサッカーシーズンは2月に始まり12月上旬に終了する。
南半球なので、秋に始まり春に終了する点は、欧州と同じといえる。
秋といっても2月は暦上は夏であるし、12月上旬は暦では春といっても実感はやはり夏なので、実情は夏に始まり夏に終わる、何だ一年中やっているでないか、と思われるが、実際そんな感じである。

ともかく、南半球の、南アメリカの国際クラブ大会である、Copa Libertadoresも始まった。
ブラジルはミナス・ジェライス州の首都ベロ・オリゾンテの名門、エンブレムにその名の南十字が輝くCruzeiro Esporte Clube(クルゼイロ)は、1976年に当時のインターコンチネンタルカップで、1997年には当時のトヨタカップで訪日している。
日本での戦績は残念ながら、1976年にはバイエルン・ミュンヘンに負け、1997年にはドルトムントに負けている。

先週のことだが、2014年2月12日にペルーのHuancayoで、Real Atlético Garcilasoと対戦したクルゼイロのアウェー試合で、ペルーの観衆が、クルゼイロのMF、Tinga(チンガ)がボールを持つたびにサルの吠え声や仕草のまねをして、その人種差別的態度がブラジルのメディアに流されて問題になっている。
Paulo Cesar Fonseca Do Nascimento“Tinga”と書いてあるので、チンガはあだ名である。

ブラジルに人種差別が全く無いわけではなく、当のチンガが、嫌な思いをすることが時々あるとインタビューで語っていたと思うが、ペルーでの試合のビデオを見ると、スタジアム全体に響く大勢の群衆による、あからさまなからかいは異様である。

14日の報道によると、南アメリカフットポール連盟 Confederação Sul-Americana de Futebol (Conmebol)は、調査を開始するとそのサイトに発表した。

もともと開放的とみられるブラジルの中でも、とりわけ群衆の感情が発露するスポーツ応援の場である。
ワールドカップでは本国からはるか遠くにやってきて、群衆の感情の爆発に浸りきった開放感満開の日本の観衆が、おかしなまねをしている隣の外国人を見て、これは面白そうだとサルのまねの猿マネをしたら大変だ。
日本人も人種差別をしていると全世界に放送されてしまう。

言わずもがなと思うが、誰かに向かってサルのまねをしてからかうのは、相手は人間以下、人間ではないと言っているのと同義である。
民度の高いと自負する日本人のことだから余計な心配だとは思うが、やってしまうと知らなかったでは済まされない問題になりかねないので、取り上げてみた。
題名は「スタジアムでは絶対サルの真似はするな」としたが、もちろん、一人でいるとき以外はスタジアムの外でもサルの真似はしないほうがよいだろう。

「細いボディ茶」であなたも痩せる

かなり健康食品には興味のあるわが家であるが、アマの実を買いに、自然食品店へ行った。
キヌアとか、シアとか、日本ではおなじみであるゴマとかを見たが、結局アマの実とゴマを買った。

アマの実、日本でもリンシード(en. linseed)とも言われるようだが、ポルトガル語でlinhaçaと書き、リニャサと読む。
ちなみに、繊維の麻はリニョ(linho)だ。
ゴマは、ブラジルポルトガル語でgergelim、ポルトガルのポルトガル語やスペイン語でsésamoと綴る。
後者は「セサミストリート」の「セサモ(スペイン語読み)」である。

「キヌア」quinoaは、ブラジルでもサラダなどにみられる真っ赤なテーブルビート、ポルトガル語でbeterrabaと近縁の植物の種で、アンデス地方で収穫される。
「シア」chiaとは何か、ポルトガル語Wikipédiaには、A Salvia hispanica, popularmente chia, é uma planta herbácea da família das lamiáceas (assim como a linho e a sálvia), …と書いてある。
サルビアの種なのか、と聞くと、有難味が薄れる気がする。

ともかく買い物を終わって店を出ようとしたら、急に気になるものが目にはいった。
大きな赤い丸が真ん中にどーんと据えられたラベル、これは日の丸だ。
その上に日本語で、ゴシック体の活字で、「細いボディ茶」と印刷してある。
さらに上に、ポルトガル語で本名、と言ってもどちらが本名かは判然としないのであるが、CHÁ JAPONÊS EMAGRECEDOR と書いてある。

cháは「チャ」、なんだ、日本語と同じなのか、と思いそうになるが、実はそう読まない。
読みは「シャ」である。
語尾がaでおわる名詞は普通女性名詞であるが、その例外で、一番良く使われる単語はdia、意味は「日」、ボン・ジア Bom dia「おはよう」のジアである。
cháもaでおわるが、男性名詞である。

余談になるが、スペイン語とポルトガル語を習ったときに、téは英語のteaと似ていて、cháは日本語の茶と似ているんだ、世界は単純だなと勝手に思い込んだものだ。
あまり関係ないと思う。

emagrecerは「痩せさせる」という他動詞、emagrecedorとなると、「痩せさせるもの」という形容詞的名詞となる。
だから、CHÁ JAPONÊS EMAGRECEDORの直訳は文字通り「やせる日本茶」である。

「やせる日本茶」から、「細いボディ茶」への超訳ね。
区切りは、細いボディ・茶 となる。
ボディは当然、bodyだ。
まあ、痩せれば細いボディになるわけだから全く間違っていないが、自動車のボディかなんか別のものを想像してしまう。
「ボディ」と「茶」が調和していない。
この怪しげな茶を買う人で、「細いボディ茶」を読める人は皆無だろうから、何と書いてあろうが、効果は全く同一だと判断してよいだろう。
特定の茶ではなく、一般的な呼び名ではあるが「痩身茶」と、漢語風にしたほうがすっきりきれいに響く。
しかし、日本語へのこだわりを示したかった点を評価しよう。
どうせわからないのだから、「ナイスバディ茶」とぶっ飛んでも良かったかも。
CHÁ JAPONÊS EMAGRECEDORの下に同ポイントの字を配置したとき、幅がだいたい同じになるという、案外デザイン上の理由かもしれない。

本当は写真を撮りたかったのだが、急いでいたので値段を尋ねるだけにした。
130g袋入りが8レアルであった。
茶の葉っぱが、和風の茶のものというより、南米原産のマテ茶に近いのが少し気になったが、ラベルを細かく検分しなかったので原材料の疑問は晴れない。

翌日になっていつも冷茶を作って飲むマテ茶の葉をスーパーで買った。
500gパックに3.39レアル払った。
日本茶で痩せるにはけっこう金がかかる。

男同士のキスとマーラー5番アダージェット

Sinfonia Nº 5 Adagietto (Gustav Mahler)

日本料理レストラン躍進のテーマでふれた、ブラジルのノヴェラ、Amor à Vidaが大団円を迎えた。
ゲイが何人も出てくるノヴェラだ。
そして、巷で予告されていたように、最終回で画期的な場面があった。
ブラジルのテレビで初めて、男同士のキスの画面が全ブラジル中に放送された。

二人の俳優の名前を記念に書いておこう。
Mateus Solano – Félix役
Thiago Fragoso – 日本料理レストランのシェフ兼オーナーNico役、

毎晩8時半のニュースに続いて始まる人気番組である。
視聴年齢区分は12歳以上となっている。
こういう場面を家庭に流して良いのか、と思う人もいるだろう。
解禁が遅すぎた、という人もいるだろう。

数日前に見たポータルサイトigのビジター任意アンケートでは、「そんなの誰が見たいか?」という意見が大多数であった。
しばらくは人々の話題になり、賛否両論が競うであろう。

フェリクスとニコのキスシーンに続き、最後のシーンに入る。
フェリクスをゲイだ、不肖の息子だと嫌っていたマッチョの父親、César (Antonio Fagundes)は、後妻に裏切られて毟られたショックで脳卒中で倒れ、不随の車いす生活となり、仕方なくフェリクスとニコの別荘で世話を受ける。
フェリクスにベッドから起こされて身支度を手伝ってもらい、車いすを押されて、海辺のデッキチェアに座らせてもらう。

隣のデッキチェアに座ったフェリクスは父に言う。
“Sabe, eu te amo.”
セザルはやっと心を解放する。
“Eu também te amo, filho.”
和解した二人は手を握り合い、水平線に昇ったばかりの太陽に照らされる。

最終場面にはずっとマーラーの交響曲第5番第4楽章アダージェットが流れる。
Luchino Visconti監督の「ベニスに死す」(po. Morte em Veneza, 1971)へのオマージュで、場面の人物の数とたどる運命は異なるが、海辺のデッキチェアと朝日のシーンに、そのまんまの音楽となった。