イエス自身は十字を切ったか

ある日
OTTAVA(オッターヴァ)
の曲目リストを見たら、
「ウィルキンソン:イエスは十字を切り/クレド・イン・デウム・カノン(13声)」
というのがあった。

ちょっと待て、イエス自身は十字架にかけられたのだが、生前に十字を切ったことはあったのか?
弟子や信者を祝福することはあっただろうが、十字を切るジェスチャーをしたのか。
天に召された後、どこかで再臨した時の話だろうか。

検索したら、曲と作曲者についてWikipediaには次の記述があった。

Robert Wylkynson (sometimes Wilkinson) (ca. 1450 – Eton after 1515) was one of the composers of the Eton Choirbook.

Only four works survive:

  • 2x Salve Regina
  • Jesus autem transiens/Credo in Deum à 13
  • motet O virgo prudentissima

But these works show Wylkynson to have been “an extremely ambitious composer and a more than competent one.”

ラテン語の曲名”Jesus autem transiens”をGoogle Tradutorにかけた結果はこうなった。

en. Jesus passing
es. Jesús pasa
po. Jesus passagem
ja. イエスの受け渡し

十字を切ったなどとは一言も言っていないようである。

「イエスは十字を切り/クレド・イン・デウム・カノン(13声)」でなく、
「イエスは横切られ/クレド・イン・デウム・カノン 13声」という訳もある。

イエスは、聖書を読むとペドロ(ペテロ)の否認のように将来を見通しているから、本当に十字を切ったのかもしれないが、それを弟子が見ると絶対気がついて勘ぐって騒ぎ立てるだろう。
その事実が聖書に書かれていないことを見ると、やはり十字を切ったというのは誤訳でないかと思う。

「私を忘れないで」と黄熱が吠える

zika ジカ
dengue デング
chikungunya チクングニア
febre amarela 黄熱

ブラジルは熱帯病の宝庫なのだろうか。
その中で新旧世代の葛藤などがあるのだろうか。

ジカ熱・ジカウィルスについて書いたのは1年前だった。
ジカというウィルスは、かなり新顔の病原体だと思う。
それまで聞いたことがなかったからだ。

ジカについての報道の数はあの頃よりずっと減っているが、その被害はなくなったわけではない。
というより、これからである。
小頭症で生まれた子どもたちが、どのような成長をたどるのかはよく解明されていない。
何もかも手探りのようである。

これから雨季で高温になるとヤブ蚊が繁殖するから、まあ毎年の行事だけど、デングが流行りだすのであるが、今年はミナス・ジェライス州東部で「懐かしいやつ」が急にのさばってきた。

そいつは「黄熱」、英語では”yellow fever”、ポルトガル語では”febre amarela”、みんな意味は一緒である。
黄疸(po. icterícia)を伴う熱病だからそう呼ぶのだろう。

黄熱が「懐かしい」のは、別に自分が罹ったからではない。
今の若い人は知っているのだろうか、昔の日本人だったら誰でも知っている偉人伝のビッグネームだと思うのだが、野口英世がアフリカでこの病気を研究して、結局これに冒されて亡くなった話が忘れられないからだ。

ここから黄熱そのものの話になる。

  • 黄熱には、同一ウィルスであるが伝搬方法の異なる、森林型(silvestre)と都市型(urbana)がある。
  • 森林型は農村部で野生の猿から蚊の一種Haemagogusによってヒトに伝染する。
  • 都市型は黄熱の患者から蚊の一種Aedes aegypti(デング熱やジカウィルスを伝搬するのと同じ)によって別の人に伝染する。
  • 人から人への直接感染はない。
  • 致死率は20%とか40%とか言われて高く、効果のある薬剤はない。
  • 対策はワクチン接種で効果は高く、ブラジルのメディアでは100%と言っている。
  • 卵アレルギーで予防接種できない人でも、もう一つの対策は蚊に刺されないようにする。
  • 現在ミナス・ジェライス州東部で発現したのは森林型。
  • 2017年1月14日夜のニュースのミナス・ジェライス州保健局発表による州内の今回の流行は、黄熱と思われる死者数38人、確認した黄熱患者数133人。

ブラジルでは黄熱の予防接種はどこの保健所でもやっていて、無料である。
一方、日本から黄熱汚染地域へ旅行する人は渡航10日前までに予防接種を受けて、国際証明書を持っていくことになる。
東京検疫所のサイトによると、証明書発行料を含んで11,180円かかる。

今日まで全く知らなかった非常に重要なことがある。
オリンピック2016リオデジャネイロ大会のためにできた措置のような気がするのだが、世界保健機関は、大会の1ヶ月前の2016年7月11日から、黄熱の予防接種証明書の有効期間は、これまでは「接種後10日から10年まで有効」としていたのだが、「接種後10日から一生有効」と改定された。
重要なのは、改定前後でワクチンは同じなので、これまでの10年期限の証明書でも所持していれば、再接種とか証明書更新とか書き加えとか全く必要なしに生涯有効となることである。

ミナス・ジェライス州東部の黄熱発生地域では、予防接種を求める住民が保健所に大行列を作っている。
そしてブラジル保健省の立場はWHOの立場と異なって、時が経つと予防効力が落ちるおそれがあるので10年経ったら再接種をするのだが、3回目の接種は必要ないと指導している。
このブラジル保健省のページは年齢、接種歴、居住地によってかなり複雑な処方をしているのだが、簡単に言えば上の通りになる。

ネットで調べたくらいではわからないのだが、日本のワクチンとブラジルのワクチンは一体同じものだろうか?
日本で1万円以上もするものが、ブラジルで無料でできるところが怪しい。
一方が強い生ワクチンで、もう一方が死にかけて効き目が消えかけているワクチンとか、そういった違いがないと誰が言えるだろうか。
だからブラジルのワクチンの有効期限が10年なのだろうか?
謎である。

わがミナス・ジェライス州西部ではまだこの病気の流行は見られないが、予防接種カードを探してみた。
家族全員2回の接種を済ませたことがわかった。
だからもう一生涯、黄熱の予防接種は必要ない、はずである。

2017年のブラジルの祝祭日

2017年のブラジルの国定祝祭日及び任意休日がブラジル連邦政府の広報ページに発表されたので紹介する。

一応このリンク先は公務員向けに書かれたものなのだろう。
「休業日は基幹業務の提供に影響を与えてはならない」と書いてある。
何かというと休みたがる、ストやり放題・馘首無しのブラジルの労働貴族である公務員には、この言葉をしっかり守ってほしいものである。

連邦政府の官報の当該ページはここにある。
公布日は2016年11月29日で、昨年より1ヶ月早い発表だった。

一連のキリスト教関連の移動休日は、2016年より19日遅くなる。
たとえば2016年の灰の水曜日は2月10日、2017年は3月1日であるので19を足した日になる。

1 1月1日 Confraternização Universal 世界友好の日 FN
2,3 2月27-28日 月火 Carnaval カーニバル PF
4 3月1日 Quarta-feira de Cinzas 灰の水曜日 14時までPF
5 4月14日 Paixão de Cristo キリスト受難の日 FN
6 4月21日 Tiradentes チラデンチス FN
7 5月1日 Dia Mundial do Trabalho 世界労働の日 FN
8 6月15日 Corpus Christi キリスト聖体の日 PF
9 9月7日 Independência do Brasil ブラジル独立の日 FN
10 10月12日 Nossa Senhora Aparecida アパレシーダ聖母の日 FN
12 11月2日 Finados 死者の日 FN
13 11月15日 Proclamação da República 共和制宣言の日 FN
14 12月25日 Natal クリスマス FN

注:FN = feriado nacional 国定祝日、PF = ponto facultativo 任意出勤

毎年必ず日曜日に重なる復活祭は、日曜日であるがために連邦政府の祝日リストにはのっていないので、この表にものせない。
復活祭を含むキリスト教の一連の移動祝日はここにのせる。

上の連番で11が欠けているが、10月28日が公務員の日というのになっていて官報にはのっているのだが、民間は休日でもなんでもないので、この表からは外してある。
役所に用事のある人は注意、この日は閉まる。

feriado nacionalは国定休日であるが、ponto facultativoは任意出勤で、休日になったり勤務日になったりは職種・職場によって異なる任意休日のことだ。
任意だからといって、勤め人が職場の決まりを無視して勝手に休んで出勤扱いになることはない。

灰の水曜日の14時まで任意休日というのは、午前中は前夜火曜日のカーニバル大騒ぎの疲れを癒す時間となっており?、銀行・官公庁や商店などは午後2時から開店する習慣があるからである。

同様の習慣により、12月24日と31日は、それぞれクリスマスと新年のイブという理由で、半日で就業終了という職種が多い。
官報に載る14の祝日リストにはそれらは含まれていない。
銀行は、24日は開店時間短縮、31日は年末決算のために就業するものの店舗は開かないので支払い・送金などに注意が必要である。

当表の連邦政府が定める全国一円の休日のほかに、各地で市と地方の記念日が数日定められていることが多い。

下のリンクで、月齢付き2017年(及び任意の過去・将来年)カレンダーを閲覧・印刷できる(英語・ポルトガル語)。
http://www.timeanddate.com/calendar/?year=2017&country=33