洪水の後はボリビア人になる

Cerca de três mil moradores do Acre podem virar bolivianos por culpa da natureza
アクレ州住民3千人が自然現象のためボリビア人になるかも
http://g1.globo.com/jornal-nacional/videos/t/edicoes/v/cerca-de-tres-mil-moradores-do-acre-podem-virar-bolivianos-por-culpa-da-natureza/3711910/

題名を聞いただけでは意味が全くわからない、日本国土にとっては全くありえない、興味深い記事である。

ブラジルの内陸部にあるアクレ州は隣国ボリビアと国境を接する。
アクレ州の国境の町ブラジレイア Brasiléia は、ボリビア側の町のコビジャ Cobija と、蛇行する泥色の水の流れるアクレ川をはさんで接している。
Google Earthで測ると、川の幅は40メートル位である。
アクレ川の蛇行が、巾着の形になっているところがあり、袋部分はサマウマ Samaúma という、約3千人の住民が住む地区である。
サマウマはブラジレイアの一地区であり、当然住民はアクレ州民、ブラジル国民である。

サマウマ地区の住民の心配は、アクレ川の巾着の口をしばる紐がついている、細くなっている部分である。
川の流れの浸食作用が大きく、1年前河岸から10メートルも離れていた川沿いに建つ家に、水の流れがすぐ迫っている。
数年前75メートルあった巾着の紐部分の幅は80%を失い、現在はわずか15メートルになっている。
念のために見たGoogle Earthの衛星写真の撮影年月は2013年9月であるが、計測すると半島狭窄部の幅は66メートルはあるようだ。

ストリートビューの年月は2012年6月となっている。
ストリートビューをみると、たった1本のサマウマへの連絡道路の片側には住宅や商店が建っているが、家々の間をよく探すと、両側の川を見ることのできる地点がある。

次のリンクで一番細いところを地図で見る
https://www.google.co.jp/maps/place/11%C2%B000’36.8%22S+68%C2%B045’25.1%22W/@-11.0102205,-68.7569791,17z/data=!3m1!4b1!4m2!3m1!1s0x0:0x0?hl=ja
Google Map入力座標 = -11.01022049292287,-68.75697905474479

ブラジル・ボリビア国境を定める取り決めが、この町のあたりでは、「アクレ川を国境とする」となっているのだろう。
アクレ川の流路が変わってしまう、つまり大雨・大洪水があってこの狭窄部分が決壊して、川の本流が短絡したらどうなるのだろうか。
サマウマ地区につながるただ1本の道路は流されるので、サマウマは一時的に島になるだろう。
それからどのくらいの時間がかかるかわからないが、アクレ川の蛇行したカーブが形作る巾着の袋部分は、堆積する土砂により、短絡した本流から取り残されて三日月湖となり、そうするとサマウマはボリビアのコビジャと陸続きになる。

ボリビア側も領土が増えると単純に喜ぶわけがない。
登場したコビジャ市長 Ana Lúcia Reis 氏は、暑い地方なのだろう、薄いワンピースを着た、街角の雑貨屋の太った商店主のおばさんのような人だが、そのような事態が起きないように両国で解決しなければならない問題だとインタビューで答えている。
市長によると、アクレ川短絡が起きると、その下流部分に当たるコビジャ市街が洪水にみまわれるという研究結果があるそうだ。

地図をみると、ブラジルのブラジレイアより、ボリビアのコビジャの方が、立派な空港を持ち市街地も広い大きな町のようである。
コビジャ市長はインタビューではポルトガル語で話していたし、苗字の Reis (王の複数形)はポルトガル系にみえる。
スペイン語だったら Reyes となるところだ。
ニュースのアナウンサーは Cobija をコビジャと読んでいるので、当ブログでもコビジャとしているが、スペイン語読みをするとコビハとなるはずである。
国境付近ではスペイン語とポルトガル語の境界があまりはっきりしていないようである。

「将来のサマウマの領土所属はとりあえず自然の思し召し」と、レポートはのんきに結んでいる。
川の護岸工事をするのか、先手を打って狭窄部分をトンネル水路にしたり橋をかけるのか、成り行きに任せて決壊短絡した時には両国の取り決めで国境の特別条項にするのか、いずれにしても国境の二つの小さな町の問題でなく、国境にかかわること、国際河川の治水にかかわることなので両国の政府レベルで解決しなければならないように思う。

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母さん、あの酒は太っ腹だね

カヴァレリア・ルスティカーナ it. Cavalleria Rusticana
「田舎の騎士道」と訳される。
イタリアの小説家 、ジョヴァンニ・ヴェルガによる小説(1880年出版)、同人による戯曲(1884年初演)、およびピエトロ・マスカーニが同戯曲に基づいて作曲した1幕物のオペラ(1890年初演)とWikipediaにある。

見たことはないが、あらすじを調べてみる。
舞台はイタリア、シチリア島、季節は復活祭の頃、北半球は春である。

兵役中に人妻となった昔の恋人ローラ Lola を忘れられず、現在の恋人サントゥッツァ Santuzza を苦しめるトゥリッドゥ Turiddu 、彼は軽薄、薄情な男だったのか、それとも粘着質の妬み深い男だったのか、ここでは問わないが、ローラとトゥリッドゥのふしだらをサントゥッツァから聞いたローラの夫アルフィオ Alfio と決闘することになる。

アリアの一つに、「母さん、あの酒は強いね」がある。
イタリア語で歌われると、Mamma, quel vino è generoso, となる。
アルフィオと決闘するはめになったトゥリッドゥが、自分が死んだらサントゥッツァのことをよろしく頼むと、人生最後の義理を果たそうという誠実な別れの言葉を母親ルチア Lucia に歌う。
まちがいなくテノールの名アリアの一つである。

「あの酒は強いね」イタリア語では quel vino è generoso というところ、vino といったらワインだと思うが、generoso って(酒のアルコールが)強いという意味があるのか。

南半球は今春だが、復活祭は遠い。
なぜ急に季節外れなカヴァレリア・ルスティカーナがここで出てきたのか。

今日2014年10月26日は、トゥリッドゥとアルフィオの決闘ではないが、ブラジル連邦共和国大統領選挙の二次投票、つまり決選投票の日である。
一次投票で誰も過半数を取れず州知事が決しなかった州では、州知事の二次投票も同時に行われる。

ひとりの候補者が演説で使っていた言葉に、”Meu governo será de generosidade, …”というのがあって、この場合 generoso という言葉は、私の政府は「寛大な、包容力のある」という意味である。
この単語の意味で一番普通に使われるのは、人の形容で「気前がよい、太っ腹な」といったものだろう。

「酒のアルコール度が強い」という意味は聞いたことがなかったので、辞書を見る。
現代ポルトガル語辞典によると、形容詞 generoso の項は、1.気前のよい 2.寛大な 3.高貴な 4.[土地が]肥沃な 5.[馬が]堂々とした 6.[ブドウ酒が]上質の、となっていて、ようやく6番目にこの意味がでてきた。
気前の良い馬とか、寛大なワインとか、5番目と6番目は知っていないと出てこない訳語だと思ったわけだ。

選挙の神様、いやキリスト教だったら神様は一つ、大文字で始まる Deus か、運命の女神というのもあるが、これはギリシャのものか、とにかくくだんの候補者に「寛大な」未来を与えるのだろうか、結果は今夜判明する。

ブラジル連邦共和国大統領選挙二次投票結果

2014年10月26日ブラジリア夏時間20時30分
Dilma Rousseff (PT) 有効票の51,5% 再選
Aécio Nevas (PSDB) 有効票の48,5%
熱い戦いであった。

ブラジル驚愕高金利は踏み倒すが勝ち

不良支払い者ブラックリストへ登録する通知」から3年以上経つのだが、いまだにときどき支払請求書などがうちの住所に送られてくる。
今回送られてきた振込票にびっくりしたのでそれについて書いてみよう。

どういういきさつで、この馬の骨がうちの住所を騙ったのかは全くわからないが、ここではEさんとしておこう。
Eさんは衣料品中心のデパートメントストア、ペルナンブカーナス Pernambucanas で買い物をした。
いついくらの買い物をしたのかはよくわからないが、3年前のことだろう。

「前例なき好チャンス」Oportunidade excepcionalと払込票の表題にある。
本来の負債額 R$1,351.02
負債から割引額 R$1,219.88
提案する返済額 R$131.14

どんな計算をしたらこうなるのか。
わからないことばかりだが、確かなのは負債が膨らみR$1,351.02にも達したところが、90.3%を割引するから9.7%相当額の131.14レアルを10月22日までに支払えば後はちゃらにしますよ、ということなのだ。

いくら何でもこの数字はないだろう、これが何を意味するか。
支払いが滞って借金が膨らんだ場合には、その膨らんだ金額を請求されて馬鹿正直に支払うよりは、債権者、この場合は商店を焦らしまくり、ようやく折れて、このような「前例なき好機」を向こうから持ちかけてもらうのを待っていれば、借金額はタダ同然までまけてくれる、ということである。

ブラジルにもクレジットカードだけでなく、自動車その他担保のある物品購入への融資、返済金給料天引きの融資とかいろいろあるが、ブラジル中央銀行は融資の形態が異なっても、同一条件で金利を比較できるように、Custo Efetivo Total (CET)「総合実効コスト」を、各金融機関が消費者へ提示するよう命じている。

ブラジル中央銀行のサイトに、Q&A形式でCETの説明がある。
http://www.bcb.gov.br/?CETFAQ

簡単に結論を言うと、融資を受けた時に、名目借入金額から経費や税金を差し引いた正味借入金額を返済するために、毎月均等額返済その他方式での返済金額に含まれる実効年利のことである。

つい最近ビール売り場に賑やかな騒ぎを起こしたスーパーマーケットのCartão Carrefour カルフール・カードの請求書が手元にあるので、これを見てみる。
リボ払いCETの欄をみると、540%などと、とんでもない数字が書いてある。
今月した買い物を、多分ミニマム額だけ支払い続けたケースだと思うが、1年間の利息が元金の5.4倍になるというものすごい計算である。

日本での上限金利は現在年利20%であるから、これから話すのはその上限をはるかに超える世界になるので、理解を助けるために少しワークシートのお世話になる。

年利を月利に換算する。
ワークシートのセルB1に =EXP(LN(1+A1)/12)-1 と入力する。
すっきりしたのが良いなら =(1+A1)^(1/12)-1 である。
結果は同じだ。
A1に 5.4 を入力して月利を求めてみる。
0.167297793 と出る。
月利17%である。

リボ払いでミニマム額を支払わないと、延滞ということになる。
リボ払い延滞CETは、1,080%と書いてある。
上のセルに10.8を入力すると、
0.228353876
となり、月利23%になることがわかる。

これがいかに法外な青天井利息か?

CDI(Certificado de Depósito Interbancário) 訳すと銀行間預金証書となるが、資金運用金利のひとつの指標である。
2014年9月は月利0.9%だ。
大口預金、多分10万レアルを超えるような金額を銀行のCDB(Certificado de Depósito Bancário) 銀行預金証書、まあ定期預金のようなものだが、これで運用すると月利0.9%前後利息がつくということだ。

月利を年利に換算する。
ワークシートのセルB2に =EXP(LN(1+A2)*12)-1 と入力する。
すっきりした式なら =(1+A2)^12-1 である。
A2セルに0.009と入力する。
月利0.9%は年利11.4%である。

ここが大切。
手元の余裕資金を銀行で運用すると受取利息は年利11.4%である。
実際にはこれに所得税などかかるから、正味金利はこれから20%くらい低くなるだろう。
クレジットカードで買い物をしてリボ払いをした場合の月利に到底及ばない!

銀行は間違いなく消費者の無知、不注意、勘違いやだらしなさのために大儲けしているわけだ。
だから、3年分の元利合計から90%割引しても、銀行は大して損するわけではない。
借金額はタダ同然になる、といっても、借金額が馬鹿でかく膨らむ無謀利息だから、実際にはタダ同然ではなく、「タダ同然に見えてしまうがそれでも適正な利息がかかっている」と考えて良いだろう。

そこでこの記事の命題、「ブラジル驚愕高金利は踏み倒すが勝ち」となるのだが、副作用がある。
銀行あるいは商店は支払いが90日滞った時点で、消費者の名前をブラックリストへのせる。
そうすると他の店で分割払いで買物をしたり、新たなクレジットカードを作ったりなどはできなくなる。

この副作用が怖くなければ、堂々と踏み倒し、もっと品良く言えば、債権者と返済計画の交渉をして無謀金利と戦うことができる。
なぜブラジルに上限金利がないか、多分年間インフレが数十、数百パーセントに達したインフレ時代の引きずりだと思われるが、ここで文句行っても仕方がない。
法律による保護が当てに出来ないのなら、消費者は自衛しなければならない。

2014/15年のブラジル夏時間

14/10/2014 11h43 – Atualizado em 14/10/2014 12h52

今度の夏時間は(期間は昨年の夏時間より)1週間多いが、電気節約量は少ない見込み
Horário de verão terá uma semana a mais e menos economia de energia

http://g1.globo.com/distrito-federal/noticia/2014/10/horario-de-verao-tera-uma-semana-mais-e-menos-economia-de-energia.html

上のリンクを見れば、2014/2015年夏季のサマータイムが図解でよくわかる。
以下は要点である。

夏時間入りは2014年10月19日午前0時、つまり18日土曜日から19日日曜日になる深夜0時に、時計の針を1時間進めて午前1時にする。
夏時間明けは2015年2月22日午前0時、つまり21日土曜日から22日日曜日になる深夜0時に、時計の針を1時間戻して午後11時にする。

2014/15年ブラジル夏時間の終了日は、カーニバル事項が適用される。
つまり、2015年2月の第3日曜日は2月15日で、通常年だったら夏時間終了日となるのだが、この週末はカーニバルと重なるので、夏時間終了はさらに一週間先に延ばされて、第4日曜日の2月22日になる。
カーニバルと重ならない通常である2月第3日曜日が夏時間終了日であっても、カレンダーの曜日のずれにより夏時間期間が126日になる年はあるが、2014/15年ブラジル夏時間の期間は126日で、昨季、一昨季の119日より一週間長い。

夏時間入りする州は、2013/14年と同じで、10州と連邦区、
南部3州 = リオ・グランデ・ド・スル(Rio Grande do Sul)、サンタ・カタリーナ(Santa Catarina)、パラナ(Paraná)の3州
南東部4州 = サン・パウロ(São Paulo)、リオ・デ・ジャネイロ(Rio de Janeiro)、エスピリト・サント(Espírito Santo)、ミナス・ジェライス(Minas Gerais)
中西部3州と連邦区 = マット・グロッソ・ド・スル(Mato Grosso do Sul)、マット・グロッソ(Mato Grosso)、ゴイアス(Goiás)、連邦区(Distrito Federal)
である。

なぜ電気節約料が少なくなるか。

その名のごとく乾季は雨が少ないのだが、今年は特に南東部の一番人口の多い地方でダムの貯水量が危機的と言ってよいくらい少なく、貴重な水のストックは、ある程度水力発電用を犠牲にしてまで生活用水のために節約しなければならない。
そのためには各地の火力発電所を最大発電能力で運転している。
よく知られているように、火力発電のコストは水力発電より大きいため、2014年の乾季から2014/2015年の夏の平均発電コストは、当然昨年より高くなっている。
それが昨年夏季2013/14年と比較して、夏時間の期間は長いが、電力節約料が少なくなる理由だ。

ブラジルの原子力発電所は影が薄いが、リオ・デ・ジャネイロ州アングラ・ドス・レイス(Angra dos Reis)の一つだけである。

夏時間入り一週間を切ったので、ウィンドウズパソコンの「日付と時刻の調整」パネルはお知らせを出している。
HorarioVeraoIni

朝鮮藻玉ジュース

近所の家の庭にタマリンドの木があり、かなり大きい木なので、枝は歩道まではみ出していて、よく実が落ちている。
早朝ウォーキングの帰り道にそこを通るのだが、風の強い夜から明けたある朝、新しく落ちた実が踏みつけられていないのを確かめて、いくつか拾ってきた。
Tamarindo frutas
タマリンド(英:tamarind、学名:Tamarindus indica)は、マメ科ジャケツイバラ亜科タマリンド属の常緑高木。
タマリンド属で唯一の種(しゅ)である。
果実が食用になる。
別名、チョウセンモダマ。
とWikipediaに書いてある。

朝鮮?藻玉?朝鮮のマリモ?
朝鮮藻玉と書くのだろうか。

「アフリカの熱帯が原産で、インド、東南アジア、アメリカ州などの亜熱帯および熱帯各地で栽培される。」
と書いてあるので、朝鮮は全く関係ないのに、なぜこんな別名があるのか。
きっと大陸から朝鮮半島を経て日本へ紹介されたこの植物の果実は、殻を取り除いた乾燥果肉だったのだろう。
上の写真に見られるように、薄いパリパリの皮をむくと、繊維質の筋がふんだんに見られるゼリーを固めたような、中心に種を含む果肉が現れる。
これを初めて見た日本人は「朝鮮から来た藻の玉」だと思って、チョウセンモダマ、つまり朝鮮藻玉と名づけたのだろう。
別名の起源はこんなところだろう。

ポルトガル語ではtamarindoであるから、語幹は学名のラテン語と同じだ。
別名を使うと困ることもある。

タマリンドジュース -> エキゾチック、おいしそう
朝鮮藻玉ジュース -> 得体が知れない、まずそう

藻の玉のジュースなんてうまいわけがないと思うだろう。
おいしそうに聞こえても、実際のタマリンドジュースは酸っぱいもので、好みも分かれるかもしれない。

自分でタマリンドのジュースを作ったことはない。
インターネットで調べて作ってみることにした。
作り方をここに載せる。

タマリンドのジュース Suco de Tamarindo
材料

  • タマリンド 1kg
  • 水 1l
  • 砂糖好みの分量

作り方

  • タマリンドの皮をむく
  • タマリンドをお椀に入れて水を加えてふたをする
  • 冷蔵庫に一日おく
  • 少しずつミキサーにかけて種を分離してから濾して、冷凍する
  • ジュースにするときには果肉に水と好みの分量の砂糖を加えてミキサーでかき混ぜる

参考

  • 上の材料からジュース5リットルになる。
  • 種と果肉を分離しやすくするため水煮してもよい。

タマリンドと水が同量であるから、お椀に果実がひたひたより少し多めにかぶるくらいの水を加えて一日冷蔵庫でふやかした。
拾った時の写真のように、果皮はパリパリで剥がれている部分があって果実が露出していたので、犬の糞など落ちている歩道のことだから、消毒を兼ねて煮ることにした。
煮るとあら不思議、筋だらけに思えた果実がなめらかな、トマトピューレのようなペースト状になった。
Tararindo polpa
これだったらミキサーにかける必要はないと思い、冷めてから網にスプーンで軽く押さえながら濾したら、種が残った。
種は種皮に包まれていて、指でひねると種がでてきた。
Tamarindo semente
濾したタマリンドペーストはお椀7分目くらいになった。
テーブルスプーン3杯くらいをコップに入れ、冷水で満たしてかき混ぜてジュースのできあがりである。
酸っぱすぎると思ったら好みで砂糖を加える。
すぐ飲まないと果肉分が分離して沈殿する。

美味しい、私は好きだ。
まだ果実がかなり木に成っているから、また夜に大風が吹いたら行ってみよう。

高地と大気汚染とどっちが辛いか

2014年10月11日 中国北京から実況中継、試合前の会話である。
有利なのは何といっても勝負経験豊かなアルゼンチン
ワールドカップ2014ブラジル大会で準優勝のアルゼンチンチームの8人が今日もプレー
2008年この鳥の巣スタジアムでオリンピック優勝メンバーも何人もいる(ブラジルは3位だった)
ブラジルはぺちゃんこ状態から出直したばかりの若いチーム
実況アナウンサーや解説者は「負けても恥ずかしくない」言い訳をこれでもかと探していた。
ネイマール自身が数日前「完璧な状態のメッシには当たりたくないね」とインタビューで勝負師らしからぬ弱気?発言したらしい。

通常の親善試合だったら、何人も交代できるのだが、交代はチーム3人に制限されるばかりか、同点の場合はPK合戦で勝敗を決めるとの本気モード。
なぜなら、この試合はスーペルクラシコ・ダス・アメリカス2014、スペイン語ならばスーペルクラシコ・デ・ラス・アメリカス2014であるからだ。

気の毒なネイマールは膝に怪我しているそうでときどき脚を引きずる痛々しさだ。
前半途中まではアルゼンチンに圧倒されてボールを持たせてもらえなかったブラジルセレソンだが、ボールを奪いパスが通るようになってきた。

今日のヒーローはミナス・ジェライス州のベロ・オリゾンテのAtlético Mineiroでプレーする国内組Diego Tardelliで、1点目はアルゼンチン守備の乱れのこぼれ球をボレー、2点目はコーナーキックをヘディングでゴールした。

ネイマールはアルゼンチンキーパーRomeroと一対一の好チャンスを逃した。
メッシはペナルティキックをブラジルキーパーJefferson(この人も国内組、リオ・デ・ジャネイロのBotafogoの選手)に阻まれた。
カカは最後の15分、ロビーニョは最後の1分ほど交代して元気な顔を見せてくれた。

試合についてはこれくらいにしておき、中継で少し面白かった部分を紹介しよう。

視聴者の質問コーナーでこんな質問が出た。
「高地のプレーと大気汚染地のプレーとどちらが辛いか?」
元選手だった解説者2人は口々に「高地」と言った。

ワールドカップの南アメリカ予選は、ホームアウェー2試合の参加国総当り戦である。
ボリビアやエクアドルと当たると、ラパス(3,593 m)とかキト(2,850 m)とかで、嫌でもプレーしなければならなかったつらい思い出があるのだろう。
実況アナウンサーは、
「でも今までこんな汚染のひどいところで誰も試合したことがないでしょう?
しゃべるのには大気汚染の方がこたえますよ。」
確かにそうだ。
走るためには酸素不足は致命的だが、しゃべる商売では喉を大切にしなければならない。

北京は2008年オリンピックとは違って、わざわざブラジル-アルゼンチン試合のために数日前から交通規制や工場操業停止など命じて汚染大気浄化などしなかったからだ。
ロビーニョは数日前のインタビューで「空気がとても悪くて苦しい、まるで煙を呼吸しているようだ」と言った。
北京の大気汚染の酷さはブラジルでも広く知られることになった。

ブラジルセレソンは気温18度、快適な温度だが大気が極端に汚染された北京から、気温30度、湿度60%の高温湿潤気候、しかし大気汚染はないシンガポールへ駆け足で移動し、14日の日本戦に備える。

ここで予想しておこう。
ブラジル不利の大方の予想を見事に裏切り、スーペルクラシコ・ダス・アメリカスで宿敵アルゼンチンを大破した。
他の国相手だったら5勝するくらいの価値がある。
一応うるさ方も文句を言えない勝ち方をした。
ネイマールは悪くはなかったが膝の故障で万全でない。
シンガポールでの日本戦では、ドゥンガ監督は盟友カカやロビーニョをもっと長時間使うのではないか、先発もありうると思う。

一応データも載せておく。
Superclássico das Américas 2014

FICHA TÉCNICA

Brasil 2 x 0 Argentina

Estádio: Ninho do Pássaro (Pequim)
Árbitro: Fan Qi (China)
Gols: Diego Tardelli (27′ do 1ºT e aos 19′ do 2ºT)
Cartão Amarelo: David Luiz (BRA, 18′ do 1ºT), Danilo (BRA, 39′ do 1ºT) e Mascherano (ARG, 1′ do 2ºT)
Cartão Vermelho: nenhum

Brasil: Jefferson, Danilo, Miranda, David Luiz (Gil, aos 44′ do 2ºT) e Filipe Luís; Luiz Gustavo, Elias, Oscar e Willian; Neymar (Robinho, aos 49′ do 2ºT) e Diego Tardelli (Kaká, aos 36′ do 2ºT). Técnico: Dunga.

Argentina: Romero; Zabaleta, Demichelis, Fede Fernández, Rojo; Mascherano, Roberto Pereyra (Enzo Pérez, aos 31′ do 2ºT), Lamela (Pastore, aos 14′ do 2ºT), Di María; Agüero (Higuaín, aos 14′ do 2ºT) e Messi. Técnico: Gerardo Martino.

まずは全額支払え、後から半額返すから

この表題はいったい何か。
借金融通のお願いだろうか。
滞った借金返済の脅し文句か。
質(たち)の悪い詐欺のたぐいだろうか。

「最強の(不屈の)金曜日」sexta imbatívelと書かれたスーパーのチラシが郵便受けに入っていた。
金曜日一日だけの特売である。
「すべてのビールCarrefourカードの利用で50%割引」
Carrefourカードとは、スーパーが顧客囲い込みのために発行するクレジットカードである。
ここだけ見れば、普段2レアルで売っている缶ビールが1レアル支払えば買えると誰もが思ってしまうだろう。
甘い。

大書した宣伝文句の横に、小さい字でこう書いてある。
「70日以内に請求書にクレジットを付与」
これはどういうことだろうか、考えてみよう。

このカードは私も持っている。
MasterCardのクレジットカードなので、カルフール以外の店でも当然使える。
普通のクレジットカードと同じように、買い物をした日から最短10日、最長40日目に支払日が来る。
わかりやすくするために、締切日直後に買い物をして、支払猶予最長の40日を得たものとしよう。
2レアルの値札がついた缶ビールを10ダース、120本今日買うとなると、通常価格の240レアルの勘定を40日後の11月20日に支払う。
そして、細かい字で横に書いてある「70日以内に請求書にクレジットを付与」というのは、40日プラス30日であるから、120レアルのクレジットは、240レアル支払った11月20日のさらに30日後の12月20日支払いの勘定請求書にようやく受け取ることができる。

40日後に240レアルまず支払え、払ったならその30日後に、120レアル分の買い物に使えるクレジットを請求書にのせることにより返還する、ということなのだ。
通常価格を支払ってビールを買えば、30日後に半額分のクーポン券をくれると言い換えてもよさそうだ。
でもこのスーパー以外の店で買い物してもクレジットは有効だから、当店のみ有効のクーポン券よりは使い勝手は格段に良い。
どうして40日後の支払い時に即座に半額分のクレジットをしないのか、お客を混乱させてまで、半額分を一か月手元で回すことができること以外にスーパーにとってのメリットがあるのか。

まず10月は「カードの利用で50%割引」の宣伝で売りまくる。
11月は注意深い客が「12月になると50%分返ってくるので11月の買い物が安くなる」心理で売りまくる。
12月は忘れっぽい客が思いがけず12月支払い時にクレジットが付いたために「おっ今月の支払いは安かった」心理で売りまくる。
スーパー経営者は「1粒で3度おいしい」を夢見ているようだが、疑い深い消費者はそうはいかないと思う。

ニュースで見るブラジルの最近の気候は、北部アマゾン河流域は毎日午後スコール、南部は前線の影響で大雨、南東部や中西部は高気圧勢力下で前線が近寄れず日照り続きである。
乾季の終わりにあたる10月は、この辺りでは1年で最も平均気温が高い月である。
高温乾燥の気候のもとではビールを飲みたくなる人は当然多い。

半額セールのビール売り場は、買い物客と買い物カートでごった返していた。
各製品の値札は、通常価格とCarrefourカード価格の二つが並んで、同じ字の大きさで書いてある。

しかし、買い物客全部が支払い方法について熟知しているわけではない。
耳を澄まして会話を聞いてみる。

まず、現金でも半額で買えると思っている人がいる。
Carrefourカードでない普通のクレジットカードで買っても半額になると思っている人がいる。
次のクレジットカード支払日に半額分を支払っておしまいと思っている人がいる。
70日後にクレジットという小さい字を見つけて、ビールの代金請求は70日後だ、30日支払猶予だと勝手に自分に都合よい解釈をしている人がいる。
よくわからないから値札の写真を撮って、話が違っていたら弁護士に駆け込むと息巻いている女性がいる。
カート一杯のビールを買って持って帰って良いものか、奥さんとか家族に携帯で相談している人がたくさんいる。
ビール売り場に群がっている客の大多数は男性だ。

今から70日といったら、ちょうどクリスマス直前だから、戻ってくるクレジットは思わぬクリスマスプレゼントだろう、と言ったら、いやきっとギリシャ人のプレゼント(presente de grego)に違いないと返された。
ギリシャ人のプレゼントという表現は、多分トロイの木馬から来ているのだろう。
もらって困るプレゼントという意味だ。
もらっても困らないよ。

控えめに説明を試みながら、したたかにCarrefourカード勧誘を怠らない店員をよそに、支払いがああだこうだと言っている人々の一人が言った。
「(35キロほど離れた)隣町から現金2千レアル持ってビールを買いに来た人がいたけれど、どうしたのだろうかね」

結局私は店の巧みな戦略に負けて、12本パックを12個都合144本を買ってしまった。