南の春分=北の秋分=9月分点=天秤宮開始点

分点 = equinox (en.) = equinócio (po.)
至点 = solstice (en.) = solstício (po.)

先日調べたブラジル・パラ州(Pará)の州都ベレン(Belém)の緯度は南緯1度27分だったが、実はブラジルの州都でもっと赤道に近い都市がある。
アマパまたはアマパー(Amapá)州の州都マカパまたはマカパー(Macapá)で、北緯0度2分、市域を赤道が横切っている。
赤道から名前が付けられた国エクアドル(Equador)の首都キト(Quito)の緯度は、南緯0度15分だから、マカパはキトより赤道に近い。

このような赤道直下では、春分・秋分は一年に2度起きる南中時の太陽が頭上真上を横切る日なのだが、理論上一番暑くなるわけだから春・秋と呼べるのだろうか。
しかも春分・夏至・秋分・冬至という言い方は北半球と南半球では反対になるのだが、どう区別するだろうか。

Wikipediaによると、春分点と秋分点はそれぞれvernal equinox, autumnal equinoxと呼ばれるのだが、南北半球の違いをなくす呼び方がMarch equinoxとSeptember equinox、太陽が天の赤道を横切りどちらの半球へ向かうかに注目した呼び方がnorthward equinoxとsouthward equinoxというように、さまざまな名称(いずれも英語)が付いている。

first point of Aries 白羊宮(おひつじ座)開始点とfirst point of Libra 天秤宮(てんびん座)開始点という名称は、占星術で使われるそうだ。
何か星間旅行を思わせるロマンを感じる。

ブラジル南東部標準時2011年9月23日午前6時4分(UTC同日午前9時4分)に太陽は9月分点を通過して、天秤宮へ入った。
春の始まりだ。

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中国自動車メーカーとブラジル財務省と野党入り乱れ

最近テレビで韓国車・中国車のコマーシャルがよく見られるようになった。

ブラジルのこれまでの自動車のコマーシャルは、乗用車ならばブラジルらしからぬ清潔な街をイケメンがクルマで爽快に走っていたり、軽トラックならば農業国ブラジルらしく一面のサトウキビ畑の中を土煙を巻き上げながらやはりイケメン運転のピックアップが疾走していたり、かなりステレオタイプ映画シーン的なものが多かった。
トヨタ・ホンダ・三菱・日産など日本メーカーのコマーシャルもこの域を出ない。
フィアット、シトロエンなどラテン系メーカーのコマーシャルは、ユーモアが入って変わった味のものがある。

ここへ韓国・中国勢が入ってきたわけだ。
韓国メーカーはコマーシャルの量が多いだけでない。
目をひく明るくポップなコマーシャルは、従来の自動車のコマーシャルに慣れた目には新鮮に映り、バックに流れる音楽はk-popなのだろうか、耳にも軽快に訴える。

韓国メーカーの宣伝のすごさはそれだけではない。
ブラジルのテレビドラマは、ブラジル庶民の生活からかなりかけ離れた富裕階級が舞台になることが多い。
手入れが行き届き緑まぶしい芝の中に広いプールのある庭園、建築意匠を凝らした大邸宅、庶民の住宅の一軒分の広さがある部屋、量産店にはまず見られない、一つが数千レアルしそうな、広大な部屋でないと冴えないデザインの高級家具に囲まれ、登場人物が愛憎物語を繰り広げるのだ。

そんな家にはお抱え運転手の控え室の隣に、その何倍も広いガレージがあって、家族の人数以上の台数の自動車がある。
そういったテレビドラマのスポンサーになって、ドラマの中に韓国車を登場させる。
当然のようにガレージの中の車は全部Kia車だったりするわけだ。
登場人物はドラマの中で車を褒めたり自慢したりするのだ。
物語の筋と全く関係なく、スプリットシートの使い方を延々と説明してくれたこともあった。
なかなか白々しい強引なマーケティングである。

しかしここへ来て風向きが変わりそうなことが起こった。
財務省は2012年12月までの時限付きで、メルコスール([南米]南部共同市場 / Mercosul (po.) / Mercosur (es.))外から輸入する自動車にかかる工業製品税(IPI – Imposto Sobre Produtos Industrializados)の税率を30ポイント上げることを2011年9月15日に発表した。
メルコスール外といっても、ブラジルと独自の協定を持つメキシコからの輸入車は税率上昇から除外される。

目的は輸入車との競争から国内製造車を守ることだとMantega財務相は説明する。
輸入車の半分がこの措置の影響を受けて、25%から28%の価格上昇に直結する。

税率だが、これまで7%だった排気量1リットルまでの車は37%へ、1リットルから2リットルまでの車は11%から41%へ上がる。
乗用車・トラック全て30ポイントの上昇である。

しかし、ブラジル・アルゼンチンで製造された車は、ある条件のもとでIPIの上昇から免れる。
少なくとも65%の部品がメルコスール域内で製造されること、域内に技術的投資を行うことがその条件にあげられる。

こんな保護主義的な手段をとる根拠は、経済危機によって全世界の自動車産業が供給力過剰になって売り先を探しているため、ブラジルに流入する輸入車と国産車の競合が激しくなっていることだ。
ブラジルに世界から完成車の流入が増大して、ブラジルの雇用を外国へ輸出するようになるリスクを負っている、と財務相は説明する。

国内製造業保護については労働省も賛成している。
労働相によると、今年輸入が3倍に増加しているのに、国産車の在庫は増えている。

G20のためにワシントンにいる財務相は、「これは保護政策ではない、ブラジルへの技術投資の推進策だ、どの国の企業にも公平に開かれている。いかなる国に対してもブラジル進出への障壁を設けない。」と述べた。

先週のTVニュースでも指摘されていたが、このIPI上昇で一番影響を被るのは部品国産率が低かったり完成車輸入をしている韓国・中国メーカーと言われる。
以前は輸入車は高級車と決まっていたのだが、最近急速に売上を伸ばしているのは、お買い得感の多い韓国・中国車である。

中国も郷に入っては郷に従うのか、あるいは中国自体がそうなのか、どちらかわからないが、ブラジルの司法を早速動かしている。
さっそくChery(奇瑞)がエスピリト・サント州の連邦裁判所へ訴えて、輸入車のIPI上昇を12月15日までの90日間差し止める予審判決を得た。
新税あるいは増税は、公布から発効まで少なくとも90日経たなければならないルール(noventena)、というのが予審判決理由だ。

財務省検事総局(Procuradoria-Geral da Fazenda Nacional)は連邦裁判所へ、予審判決に対抗する訴訟を起こした。

野党DEM(民主党)は、9月22日に連邦最高裁へ、輸入車のIPI税率上昇は憲法違反との直接請求を起こした。
根拠は90日ルールであるが、DEM総裁José Agripino上院議員は、連邦政府の国内産業保護政策を批判し、競争が妨げられるために自動車価格が上昇して消費者が被害を被るという主張をしている。
立法権まで出てきて三権入り乱れ状態だが、韓国・中国勢の強力なロビー活動があると想像できる。

テレビでは韓国車のディーラーが、在庫のある限り9月30日までは値上げしませんとのコマーシャルを流している。
急に湧いたこの戦いから当分目が離せない。

2011年10月21日追加

2011年10月20日、連邦最高裁(Supremo Tribunal Federal)は、輸入車への工業製品税(IPI)税率増加を停止する判決を出した。
税率増加が有効になるのは2011年12月16日からになる。
最高裁は憲法に定める、いかなる税負担変更も立法後90日を経なければ徴収することができない原則を確認した。
(2011年10月20日 Globo Jornal Nacionalから)

ブラジル・アルゼンチンのスーパークラシック親善試合に抽選で2名様ご招待

(Fred Raposo, iG Brasília, e Pedro Taveira, iG São Paulo | 13/09/2011 11:47から)

インターネットを使う人 = internauta 天体(astro) → 宇宙飛行士(astronauta)のように作られた造語だろう。
Twitterを使う人 = tuiteiro Twitterをポルトガル語読みしたものに、-eiroをつけた新しい造語だろう。
初めて聞いた。
ブログを書く人 = blogueiro という語と同じく、パン(pão) → パン屋(padeiro)、手紙(carta) → 郵便配達人(carteiro)の類か。

ブラジル北部(つまり熱帯地方)にパラあるいはパラー(Pará)州がある。
パラ州の州都はアマゾン河口、ほぼ赤道直下(南緯1度27分)のベレン(BelémあるいはBelém do Pará)で、この28日にブラジル・アルゼンチン戦の黄金カードの親善試合が行われる予定だ。

最近ではブラジルの議員もTwitterを使うのだが、パラ州選出上院議員Flexa Ribeiro氏は「パラ州内のTwitterフォロワーに限って」親善試合の入場券2枚が当たるキャンペーンを始めた。

入場券2枚180レアルは議員歳費からでなく自分のポケットマネーから支払った、選挙目的は一切ないと、腹を探られた上院議員はiG(ポータルサイト)に返答した。
上院議員選挙は昨年終わっていて、次回は2014年だ。
2012年には地方総選挙(市長・市議会議員)選挙がある。

上院議員は言う。
「パラ州にワールドカップを呼べなかったのは冷や水だった。
この抽選は試合の宣伝だ。
インターネットユーザーが政治に興味を持ってもらうようにするのが目的だ。」
取材時点で上院議員は7,841人のフォロワーを持ち、56人がリツイートした。

さてこの親善試合であるが、CBF(Confederação Brasileira de Futebol)とAFA(Asociación del Fútbol Argentino)の合意によって2018年まで続けられる予定の”Superclássico das Américas”(po.), “Superclásico de las Américas”(es.)、アメリカ・スーパークラシック(現地風に読むならスペルクラシコ)と呼ばれるものだ。

AFA(Asociación del Fútbol Argentino)のサイトにあった画像なので、スペイン語表記になっている

アメリカが複数形になっているということは、北南中央全てのアメリカのスーパークラシックということで、米国野球が勝手にワールドシリーズと呼ぶのと同じノリであるが、ブラジルとアルゼンチンならば許してもらえるのだろうか。
ウルグアイやパラグアイが文句を言いそうな気もするのだが。
両国の選抜チームは、「ブラジルとアルゼンチンにあるクラブでプレーする選手で組まれる」とあるので、ヨーロッパにいる選手は呼ばれないのだが、ブラジルでプレーするアルゼンチン人はアルゼンチン選抜チームに入る。

2011年のアメリカ・スーパークラシックは、明日9月14日にアルゼンチンのコルドバ(Córdoba)で、その2週間後9月28日にベレンで行われる。
参考に、ベレンの試合の入場料はベンチ席(arquibancada)40レアルからイス席(cadeira)190レアルまで。
例の上院議員の抽選で当たるのは90レアルの席、最低の席の倍以上だが最高の座席の半額以下だ。

金髪二人のはずだったのに手ぶらで帰ってきた

最近毎日この楽しいテレビコマーシャルを見てきた。

今週末10日・11日の2日間にわたり、一人24本限定で、ペプシ(Pepsi)コーラを缶でもボトルでも1本買うと、もう1本ついてくる(つまり半額になる)キャンペーンだ。

まだ土曜日の昼過ぎなのにこんな記事が出た。
(以下Marina Gazzoni, iG São Paulo | 10/09/2011 13:58から)

主婦アンドレア・オツスジ(Otusuji 日系の人?)さんは、きょう土曜日朝早く近所のスーパーへ出かけた。
ペプシのもう一本キャンペーンを利用して、90歳になる祖母のパーティーで供する炭酸飲料を買うためだ。
8時にスーパーに着いたのだが、棚にペプシは一本もなかった。
「誰が悪いのかわからないが、腹が立ちました。」

iG(ポータルサイト)には、ポン・ジ・アスーカル(Pão de Açúcar), エクストラ(Extra), ソンダ(Sonda), カルフール(Carrefour), コープ・イ・サコロン(Coop e Sacolão)(いずれもスーパーマーケットのチェーン)でペプシを買えなかった消費者の声が届いている。

サンパウロ大都市圏のいくつかのスーパーでは客が騒いでいるとか、サルバドールのハイパー・ボン・プレッソ(Hiper Bom Preço)では抗議活動が起きているとか報告されている。

Pão de Açúcarチェーンでは一人4本に制限したのだが、それでもほとんどの店舗でペプシの在庫が空になってしまった。
Pão de Açúcar営業担当役員Wilson Barquilla氏によると、昨年9月全月売上分に相当する在庫を用意したうえに、さらにペプシの配給元アンベブ(AmBev)へトレーラー60台分を追加注文したのだが、受け取ったのは20台分だった。
「AmBevはプロモーションの力を軽く見過ぎていたのではないか。」Barquilla氏は言う。

Pão de Açúcarの各店では、客をなだめるために仕方なくライバル製品コカコーラ(Coca-cola)を半額で客に売ることにした。
「この勘定書は月曜日にAmBevに送り付けるつもりだ。」

小売店ではまだ土曜日なのに早速「ペプシ品切れです」の張り紙を掲げている。
Pão de Açúcarは月曜日新聞各紙に、「お客様には申し訳ないが、プロモーションはPão de AçúcarでなくPepsiが企画したものである」との声明文を載せる予定だという。

当記事締めの時刻までに、Pepsi配給元AmBev及びPão de Açúcar以外の小売チェーンの詳細なレポートは(iG編集部に)入っていない。

夕方になったら近所のスーパーでペプシを買おうかなあと思っていたが、どうやらだめみたいだ。
まあ、いつもコーラなんか飲まないからいいか。

アンベブ(AmBev)は世界最大シェア25%のビールメーカー、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(Anheuser-Busch InBev)の子会社で、ラテンアメリカ最大のビールメーカー。
Pão de Açúcarグループはブラジル最大の小売店(スーパーマーケット)チェーン。

ブラジルの徴兵制度(その2)

ブラジルの徴兵制度(その1)

徴兵選抜で入隊が免除された場合でも、ひとつの儀式を受けなければならない。
国旗への宣誓(Juramento da Bandeira あるいは Juramento à Bandeira)という儀式だ。
ブラジル国旗の前で、ブラジル国家が危機に見舞われるときには命を賭して国を守ることを誓う。

フットボールチームSantos所属、セレソン(seleção=代表チーム)のネイマール(Neymar)君(19歳というから君づけで)に登場してもらおう。
2011年4月、サントスでの国旗への宣誓だ。

Divulgação/SantosFC

結構ラフな格好をしているが、国旗への宣誓の案内書には「バミューダパンツ・草履・肩の露出するシャツ・宣伝のついたシャツは禁止」と書いてあるだけだ。
普通の人も宣誓する格好は同じだ。
普通の人とネイマール君と違いがあるのは、彼は一人で宣誓していること、宣誓の後、職員に写真を取らせてと頼まれたことだ。
一般市民は広い場所で大勢で一つの国旗の前で宣誓するし、当然だが写真を取らせてとかサインしてくれとか言われることはない。

この儀式の終了後に防衛省(Ministério da Defesa)発行の入隊免除証明書(Certificado de Dispensa de Incorporação)を晴れて受け取る。
この証書の文面には、「招集時には直ちに応集すべし」と書かれている。
「x年x月x日、定員超過のため初期兵役を免除する」とも書かれている。
初期兵役とは18歳時の徴集兵役のことで、非常時に応集する義務は45歳になるまで続く。

殺人蛸、いや殺人凧にご用心

ブラジルで二輪車を使った職業といえば、モトボーイと言われる貨物輸送と、モトタクシーと呼ばれる乗客輸送があるのだが、貨物輸送と乗客輸送とをきっちり区別することになった。

新法は職業ライダーが21歳以上であること、免許取得から2年以上経っていること、専門講習受講と安全装具使用を義務付けた。
身につける安全装具は、風防またはゴーグルとヘルメット、反射テープ、安全チョッキで、オートバイにつける安全装具は、エンジン両側の転倒時脚保護プロテクター、凧(たこ)切りアンテナ、積荷を固定する装置から成っている。
(以上”Curso de especialização para motoentregadores começa a ser exigido”
Publicado em 02/08/2011 às 14:00 Por MGTV Panorama 2011年8月2日のTVニュースから)

凧切りアンテナ(antena corta-pipa)って何だ?

ブラジルの子供も凧揚げをする。
雨が降らず風が強くて学校が休みという三拍子揃った凧揚げの季節は7月だ。
ブラジルでも凧揚げなどする子供は無邪気でよろしい、なんてのどかなことは言っていられない。

セロル(cerol)というものがある。
ガラスを細かく砕き接着剤に混ぜたもので、凧糸に塗りつける。
そうすれば、他人の凧の糸と絡まったときに、相手の糸を切って自分の糸は助かるという凧(の持ち主)の身勝手な攻撃兵器なのだ。

凧同士で争っている限り大人は誰も文句は言わないだろうが、セロルは人命に関わる危険なものだ。
高速で走っているライダーの首にセロル付き糸が引っかかると、命を失う重大なけがにつながる。

禁止されているのだが、全ての子供が良い子ではないし、警察は揚がっている凧をいちいちセロル付きかどうか調べて回るわけにも行かない。
そこでライダーの自衛手段が凧切りアンテナなのだ。

どんな物かは一目瞭然。

Foto: carrovip.com

糸はアンテナに沿って上方へ滑り、鍵形の部分で切断されるか、ライダーの頭部上方に逃げてやり過ごすという仕組みである。

Foto: carrofacil.org