面倒なラ・プラタ人たち

アルゼンチン・ウルグアイ旅行に注意

私を含めてスペイン語話者でない人にはあまり関係ないかもしれないが、興味深い話を聞いたのでここで書こう。

その場にはペルー人とベネズエラ人がいた。

ところで、アルゼンチン人は歌うように話すと聞いたことがあるがそうなのかと尋ねたら、確かにそんな感じだ、あちらの方は発音や抑揚が違うとか、一部の動詞の活用に違いがあるとか口々に説明してくれた。

ベネズエラ人が話してくれた。
ラ・プラタ川を間に挟んだアルゼンチンとウルグアイの間にも話す言葉に微妙な違いがあって、それだけなら別に構わないのだが、困ったことに、話す言葉を聞いてあなたは〇〇人ですかと運悪く間違えて尋ねたとき、両者とも取り違えられると機嫌を悪くするというのである。
つまり、アルゼンチン人もウルグアイ人も面倒な人たちである。

ブラジルの、少なくとも私が歩く範囲で、日系ブラジル人というものが存在することが割合知られている地方では、普通の大人は東洋人顔の人へもブラジル人だと思って話しかけてくることが多い。
つまり通りを歩いていて、突然お前は何国人かと聞かれることはない。

ちなみに、いい加減な奴に道を聞くと、知らないくせに調子よく全然違った場所を教えられたりすることがあるが、道を聞かれることが多いのは、日本人顔だったら億劫がらずに正しい道を教えてくれるだろうという期待が大きいのだ、と勝手に良い方に解釈している。

しかしスペイン語を話す南米のいろんな国で、少々昔の話で今はどうか知らないが、あまり東洋人を見たことがないところでは、中国人(chino チノ)かと聞かれることが多くて、まあそんな連中は変なやつが来たからからかってみようとあまり心地よくない心がけであることが多いのだが、ガキどもが絶え間なく繰り返していちいち答えるのが面倒になると、もう中国人でも朝鮮人でもなんでも構わなくなってくる。
タモリのように滅茶苦茶でも中国語も朝鮮語もそれらしく聞かせる芸があったなら良いのだが、中国語を喋ってみろなどと意地悪することはないので、はいはい中国人ですよと適当にあしらうのが実害はなく楽になってしまう。

でもそうは思わなくて、中国人と呼ばれると気分を悪くしたり、いい加減にしておけなく本気で怒ったりする日本人もいるから、日本人も明快とは言い難いのである。

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ブラジル名物腐れ肉と糞まみれ政界

ブラジル大統領、辞任を拒否 汚職関与疑惑否定
[ブラジリア 18日 ロイター]

少し前にブラジルの食肉検査官と食肉会社の癒着から、食用に適さない肉が出荷された事件が、ブラジル産肉製品の輸入国である日本でも問題にされたことがあった。

これに関しては違反はなかったようであるが、名前が出されたJBSは急成長した食肉会社である。
何年か前までは聞いたこともなかったこのアルファベット3字の会社は、これまで大手であったサジアSadiaとかペルジゴンPerdigãoとか、以前はライバルだった食肉製品会社を買収して、全部グループに飲み込んでしまった。
勘違いをしていた。
サジアとペルジゴンが一緒になった後身はブラジル・フーズ(Brasil Foods S.A.)、現在の正式社名BRF S.A.である。
JBSの傘下商標で、家でもよく買っている、一番有名と思われるのはSearaセアラであり、2016年リオデジャネイロ五輪のスポンサーであったから、日本選手も食べたことと思う選手村の食事で出た肉はこの会社のものであった可能性が高い。(2017年5月23日訂正追加)

昨日のニュースでJBSの来歴を簡単に説明していたが、成長がすごい。
2006年にはゴイアス州の一食肉会社だったらしいが、2016年までの10年間に売上を40倍に伸ばし、1700億レアルに達して、27万人の従業員を抱える。
展開はブラジル国内だけでなく、食肉関連で有力な米国、アルゼンチン、オーストラリアに関連会社を持ち、米国だけで65拠点を数える。
買収手法はハゲタカファンドを想起させるのだが、傾きかけた食肉工場を買い叩いて再生させるという。

地方の一食肉会社がどうして短期にこれだけ急成長したのか不思議に思ってた人は多いと思うが、種がばらされれば何のことはない。
ITなどと違い「伝統的な」産業界で、あまりにも唐突に抜け出す場合には何かしらやましい理由があるという例である。

政府系銀行、つまり政権党が選挙に貢献した党員を上層部へ送り込む格好の場所なのであるが、その一つに国立社会経済開発銀行Banco Nacional de Desenvolvimento Econômico e Social、略してBNDESがある。
簡単に言ってしまえば、JBSは政治献金をするから融資しろと政治家に接近して、銀行上層部を動かしてもらい、一私企業に対しては最高額の融資を手にして国内外の企業買収をしたということである。
融資が焦げ付いたという話は聞かないから、まだまだ返済期は遠く、借りまくって残高急上昇中なのだろう。

今回は不正融資を受けてその資金が政治献金だけでなく、大統領が直接関わり汚職事件容疑者の口止めに使われたという容疑でブラジル政界が揺れている。
石油会社、建築業界に続き食肉業界も政界と関わっていたことが明らかにされた。

政治資金錬金術のしくみは基本的には一緒である。
贈り手よし、貰い手よし、納税者だけ泣きっ面、というよくある図式である。
献金するという餌で政治家を釣り上げて談合入札や不正融資で公金を過大に引き出して一部は働いてくれた政治家に、一部は頑張って会社に利益をもたらした自分にご褒美するのだが、この国ではどの政治家が賄賂を受け取って仕事をしてくれるのか見極めるに悩むことはない。
ほとんどどの政治家も金に飢えているから、全部当たりである。

つまり、ブラジルの政界は左も右も中道もうんこである。
どちらを見てもうんこだから肥溜めの中である。

ブラジルの怖さがわかるキーワード

“concertina”コンセルチーナという単語がある。
音楽に詳しい人はわかるかもしれないが、次を見れば誰でもわかるので試してほしい。

https://www.google.co.jp/?gws_rd=ssl#q=concertina
上のリンクをクリックしてページに入ったら「画像」をクリックする
ご覧の通り楽器である。

https://www.google.com.br/?gws_rd=ssl#q=concertina
上のリンクをクリックしてページに入ったら”Imagens”をクリックする
現代ポルトガル語辞典には「手風琴」という訳語のみがあるが、画像を見るとこれ一色である。

楽器の「手風琴」が家庭にあるのはうれしいが、最近のブラジルはもう一つの方が町並みのあちこちの塀に見られるのが全く悲しく極めて醜い風景である。

パソコンやスマホの言語の設定や履歴の影響が出るかもしれないので、必ずしも同じ画像が出るかどうか保証できない。