コリンチャンスは訪日に大乗り気

2012年FIFAクラブワールドカップは12月6日から日本で開催されるのだが、南アメリカ代表コリンチャンス(Corinthians)は遠征旅行を控えて、ずいぶん気合が入っている。
先の日曜日ブラジル選手権の最終戦、対サントスが行われたが、スタジアムは巨大富士山型の旗と、いろいろな漢字を書いた横断幕で日本遠征気分満々に飾られた。

そこにみられる訳語にかなり違和感があるのがあったので書いてみた。

勇気 = coragem
愛 = amor
勝利 = vitória
ここまでは良い。

配列 = disposição
棚卸しでもしているのか?数学の授業か?
確かに辞書をみると最初に出てくる訳語だ。
http://pt.wiktionary.org/wiki/disposi%C3%A7%C3%A3oをよくみると、
7. animação, entusiasmo, vontade, boa vontade;とある。
「元気」とか「気合」とでもしたほうが良いのではないか。

人種 = raça
これもどうかと思う。
「人種」は、確かに最重要な訳語である。
しかし調べると、
3. (Sentido figurado; Brasil) (Uso: informal) espírito de luta; determinação, empenho, coragem.とある。
ここは「闘魂」といきたい。


知恵
信仰
などの漢字も幕に書かれていた。
訳語は見えなかったが、まあこれらは間違い無いだろう。

当日は、2000年にブラジルで開催されたクラブワールドカップで優勝したコリンチャンスの元選手たちが、
INVASÃO CORINTHIANA
とデザインされたシャツを着て登場した。
「コリンチャンスの侵略」との、物騒な表現だ。
でもこういう侵略だったら大歓迎だ。
インヴァゾンのIが日本列島を形どっており、Oが日の丸になっている。
やる気満々だ。

やる気満々というと、
http://globoesporte.globo.com/futebol/times/corinthians/
は、23名の遠征メンバーを、「23人の侍」として、その紹介記事に各人に日本語の単語をあてて雰囲気を盛り上げている。
ここでも不思議なのがあるから紹介しよう。

選手名 標語 標語訳語
WALLACE REIS DA SILVA DEDICAÇÃO 献身
ANDERSON CORRÊA POLGA CARÁTER 人格
DANILO FERNANDES BATISTA PACIÊNCIA 忍耐
DOUGLAS DOS SANTOS GUERREIRO 戦士
GUILHERME ANDRADE DA SILVA GUERREIRO 戦士
JULIO CESAR DE SOUZA SANTOS BATALHADOR 戦闘機
JUAN MANUEL MARTÍNEZ TRANQUILIDADE 平静
JOSÉ PAULO (PAULINHO) BEZERRA JÚNIOR PERSISTÊNCIA 固執
RALF DE SOUZA TELES HUMILDADE 謙虚さ
ROMÁRIO (ROMARINHO) RICARDO DA SILVA CALMA 平穏

今日現在まで登場したのは以上のメンバーである。

戦士が2回登場しているのはどうしてだろう。
戦士はともかく、戦闘機とは何だ。
機械人間か。

これからも面白い訳が出たら紹介したい。

最後になったが、コリンチャンスは日本人・日系ブラジル人のファンも多いこともあり、親日度が高いようである。
2011年3月11日の大震災直後には、「フォルサ・ジャパン」と書かれたユニフォームでプレイしたのは、いつまでも忘れない記憶になろう。
フォルサ・ジャパン

ブラジル新型公衆電話はWi-Fi付き

早とちりしないように、これはまだテスト中だ。

ブラジルで公衆電話は、卵の半分を斜めに切り取ったような曲線のフォームの殻に覆われていて、その形から「大きな耳」orelhãoと呼ばれる。
そのオレリョンであるが、近年の携帯電話の普及とともに使用者が減っており、まあそれは全世界的な現象ではある。
1年に-50%の割合で使用が減っているというのは、かなりの急減といえるだろう。

新型の公衆電話、いわばオレリョンVer2.0がテスト中というニュースだ。
Wi-Fiアクセスポイントを兼ねた公衆電話である。
電話の契約者である必要はなく、携帯、タブレットなどWi-Fi機器を所持していれば、50m以内にいる人は誰でも接続ができる。
簡単な登録をすれば、毎日最初の15分は無料で接続ができ、それ以上の時間接続を望む場合は電話会社のクレジットを購入する。
特色あるのは、公共ドメイン、例えば.gov (governo 政府)、.jus (justiça 司法)の接続は時間無制限にできるそうだ。
社会参加プログラムの意味があるのだ。

このテストはサンタ・カタリーナ州都フロリアノポリス(Florianópolis – SC)で、電話キャリアOiによって行われているが、2013年末までに全国の州都を中心に1000台のWi-Fiアクセスつき公衆電話を設置する計画がある。

Wi-Fiアクセスポイントだけなら、利用者が公衆電話を操作する必要はなく、公衆電話と合体する必然性はないとは思うのだが、まあポイントがわかりやすいという利点はあるだろう。
半径50mといったらかなりの数の端末が接続可能と考えられるが、接続速度など詳しいことはニュースでは解説しなかった。
15分を超えた場合の接続料金についてもニュースではわからなかった。
同日内で別のポイントに移動したら、時間カウントがどうなるのかもわからない。
でも、家の前に公衆電話があったら、毎日15分の接続が一切無料でできるというのはかなりうれしいことではないか。

(TV Globo Jornal Hoje 10/11/2012を参考した)

この記事と前後して、
「なぜフェイスブックが、無料Wi-Fiアクセスを提供するのか」
http://wired.jp/2012/11/09/facebook-wifi/?utm_source=mail&utm_medium=mv
というのを読んだ。

フェイスブックが最近試験的に始めたのが、無料のWi-Fiアクセスサーヴィスと引き替えに、ユーザーにアプリのチェックイン機能を利用させるというものだ。
フェイスブックは、Wi-Fiアクセスポイント機能を備えたルーターを小売店や飲食店などに無償で配布することになる。
ユーザーがフェイスブックアプリを使ってチェックインすれば、無料でネット接続ができる。
ということは、漏れてくる電波で店外からアクセスするのでなければ、その小売店や飲食店で消費しなければならないだろう。
この試みも、いくつかの店舗で小規模なテストを行っている段階だそうだ。

ブラジルの15分無料公衆電話近辺アクセスが良いのか、フラジルでも利用者増大のフェイスブックでの小売店・飲食店内の時間制限無しアクセスが良いのか、利用者によって好みはわかれようが、テストがうまく行って普及してくれたらうれしい。

コンフェデレーションズカップ2013ブラジル大会チケット販売予告

コンフェデレーションズカップ Copa das Confederaçõesは来年6月、もう7ヶ月後までに迫った。
会場は既報の通り、6つとなっている。
ブラジリアは開幕戦、他の都市は3試合ずつ行われる。
2012年11月8日、サンパウロで発表された。

発表前まで、スタジアム建築が遅れているレシフェとサルバドルが心配されていた。
ブラジルの組織委員会は、FIFAの定める期日までのスタジアム完成を約束した。
ブラジルフットボール連盟(CBF)会長José Maria Marin氏は、6会場での開催を高らかに確認した。
“Belo Horizonte, Brasília, Fortaleza, Salvador, Recife e Rio de Janeiro”

FIFAのコミュニケーションディレクター Walter de Gregório氏は、施設完成は一日の遅れも許されない、と釘をさした。

ブラジル政府スポーツ相Aldo Rebelo氏は、
「スタジアム、主要な交通機関スタジアム周辺工事はコンフェデレーションズカップに間違いなく間に合うように完成する」
と確認した。

最終期限は2013年4月15日だ。
工事が進んでいるのはフォルタレザのカステロンと、ベロ・オリゾンテのミネイロンだ。

都市名(北から南へ) スタジアム名 進捗度
Fortaleza – CE Castelão 94%
Recife – PE Arena Pernambuco 70%
Salvador – BA Fonte Nova 80%
Brasília – DF Mané Garrincha 81%
Belo Horizonte – MG Mineirão 93%
Rio de Janeiro – RJ Maracanã 75%

この表を見ると、リオのマラカナンもブラジリアのマネ・ガリンシャも数字の上では遅れているではないかと思うのだが。

「私は楽観派の一人だ。全てコンフェデレーションズカップに間に合う」
ブラジル組織委員会メンバーである、日韓大会で大活躍したロナルドは語った。

12月1日には組み合わせ抽選会が行われる。
既に8つの内7つの参加国が決定している。

現世界チャンピオンのスペイン、ヨーロッパ2位のイタリア、アメリカチャンピオンのウルグアイ、アジアの覇者日本、オセアニアの勝者タヒチ、開催国ブラジルだ。
アフリカチャンピオンは2013年初めに決定する。

この日同時に、入場券発売方法が明らかになった。
入場券はインターネットを通じて購入可能になる。
入場券発売は12月3日から行われる。
最も安い券は57レアル、最も高い券は418レアルになる。
学生・老人・bolsa-família 参加者(ブラジルの生活保護プログラム)は最も安い席を半額、28.50レアルで購入することが可能だ。

(http://g1.globo.com/jornal-nacional/noticia/2012/11/cbf-anuncia-que-copa-das-confederacoes-tera-seis-sedes.html
を参考した)

翌日になってなにかおかしいのに気づいた。
7カ国が決定済みと言っているのに、あげられているのは6カ国だ。
元サイトを引用しよう。

No dia 1º de dezembro vai acontecer o sorteio dos grupos da Copa das Confederações que já tem sete dos oito participantes confirmados.

Espanha, campeã do mundo. Itália, vice-campeã europeia. O Uruguai, campeão da América. Japão que conquistou o título na Ásia. Taiti, vencedor da Oceania. E Brasil, o país sede.

O representante africano só vai ser decidido no inicio de 2013.

ニュース報道のビデオも見た。
確かにメキシコがすっぽり抜けている。
ウルグアイは南米サッカー連盟(CONMEBOL Confederación Sudamericana de Fútbol)の代表であり、メキシコは北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF Confederation of North, Central American and Caribbean Association Football)の代表だから、上の文でアメリカチャンピオン・ウルグアイというのは間違っている。
先のオリンピックの恨みがあるのか?
メキシコ大使館が抗議するぞ。

2012年11月22日追加

Copa das Confederações
Fifa inicia pré-venda de ingressos para a Copa das Confederações; espera é de 30 minutos
Por ESPN.com.br
http://espn.estadao.com.br/noticia/294262_fifa-inicia-pre-venda-de-ingressos-para-a-copa-das-confederacoes-espera-e-de-30-minutos

こういう記事が出た。
FIFAはコンフェデレーションズカップのチケット先行販売を今日2012年11月21日水曜日に開始して、その待ち時間は30分ということだ。
VISAクレジットカードを持っている人は、ここでカテゴリー1から3までと障害者優待席を購入できる。

購入のために、FIFAスポンサー(つまりクレジットカードVISA)の顧客は、まずFIFAのサイトで登録が必要だ。
FIFAサイトをみたら、ファーストネーム、ラストネーム、メールアドレスを入れてBegin Registrationボタンを押すようになっている。
そのあとで待ち行列に入る。
記事によると、正午ころ、サイトの待ち時間は約30分だった。
今午後10時ころだが、試してみたら10分程度でサイトにつながった。
一人で6枚まで購入できる。
12月1日のグループ組み合わせ抽選前だから、スタジアム地元のファンが自国他国関係なく試合を見たい場合にチケット先行購入することになるのだろう。

開幕戦1試合のみのブラジリアを除く5会場の、それぞれの通し券(2ないし3試合、決勝・準決勝は除かれているようだ)も発売される。

その他の人はチケット販売は12月3日からとなっている。
発売日はグループ抽選の後だから、購入時にどの国の試合かわかっている。
そしてカテゴリー1から3に加え、一番安いカテゴリー4も販売される。
カテゴリー4には、学生、老人、Bolsa-Família受給者向けの半額チケットも含まれる。

さて、読者コメント欄を見ると、FIFAのサイトの作りが悪いためか、クレジットカードの購入確認がないとか、そのためにダブって購入してしまったが、キャンセルの仕方がわからないとか、自分のCPFははねられたので父親のCPFを使って購入したとか、そんな例があげられている。

CPF (Cadastro de Pessoas Físicas)を求められるということは、ブラジル居住者、海外居住でもCPF所有者を対象にしているということだろう。

翌日になって
http://esporte.ig.com.br/futebol/2012-11-22/venda-de-ingressos-da-copa-das-confederacoes-bate-recorde-em-24-horas.html
という記事があった。

24時間のチケット売上は7万4千席という記録。
この段階(つまりVISA顧客優待プログラムである先行販売)での開幕戦および決勝戦のチケットは売り切れた。

ぶん殴る前に10まで数えよう

「ぶん殴る前に10まで数えよう」っていったい何だ。
10まで数えてからぶん殴るのではない。
10まで数えたらぶん殴る気が失せるというのだ。

最近はサンパウロ市が物騒で、毎晩のように10人単位の殺人事件が報道されている。

ブラジルの殺人事件の大半は薬物がらみといわれる。
つまり、麻薬販売人グループ内のいざこざ、ライバルグループ間の勢力拡張抗争、薬物売買場面での争い、代金不払いの清算(凄惨?)といったものだ。

その上に、ブラジルの大都市のファベーラ(favela)がある。
ファベーラに巣食う犯罪組織から、政府が支配権を奪回するため警察力さらには軍隊力を行使するので、強迫された犯罪組織が反発して、非番の警察官を殺害する事件がサンパウロで連発している。

つい昨日サンパウロ州政府と連邦政府の間、つまりサンパウロ州警察と連邦警察が、凶悪犯罪対策のためにより緊密な協力体制を結成したというニュースが流れたばかりだ。

一方で、街角で普通の市民の間に起きる喧嘩が発展したような、感情爆発による衝動的殺人事件も頻発している。

ブラジルの全国の殺人事件の4件に1件は、衝動(impulso)により、つまらないきっかけ(motivo fútil)で起きる。
暴力に訴える者は、感情の制御ができなくて何も考えず衝動のおもむくまま突っ走る。

そのため、あるキャンペーンが今日発表された。
「10まで数えよう。深呼吸して10まで数えよう。」
頭に血がのぼって即座に暴力へ訴える前に、深呼吸して冷静に10まで数を数えて頭を冷やそうというのだ。

パラ州ベレンでおきた傷害事件では、オートバイのアラームが原因でライダーと交通警察官が口論していたが、警察官が落ちていた板切れでライダーを殴り始めて、通行人が仲裁するまで喧嘩は続いた。

ブラジリアから30kmのセイランジアでは、隣人同士の口論が40歳のモトボーイ、つまりオートバイの配達屋が命を失う殺人事件まで達した。
隣からのオーディオの音量が大きすぎ耳障りだったという些細な原因なのだが、モトボーイは怒った隣人に弾丸5発を撃ち込まれて死亡した。

この日の報道ではないが、今まで聞いた中で最もくだらない理由で殺人が起きたと思うのは、若者の兄弟げんかが激昂して相手を刺し殺したという地元の事件だ。
一つ屋根の下に住む兄弟が殺人事件の犯人と被害者になってしまったのは、テレビを部屋のどこへ置くかでもめたからであった。
全く情けなくなる。

連邦区の全殺人事件の23%は衝動的に起きたという。
サンパウロ州の2011年1月から2012年9末までの統計では、実に83%が些細な(motivo banal)理由で殺人事件にまでなった。
公共省の統計では、ブラジルの全殺人事件の4件に1件は衝動的に起きるという。

衝動に我を忘れて暴力へ突っ走るという危ない行動は全国的に見られるわけだが、そのために「10まで数えよう」キャンペーンが今日ブラジリアで発表されたのだ。

MMAと柔道の格闘技家たちが出演しているビデオを見た。
格闘は畳の上だけにしようとのメッセージである。

“Conte até dez. A raiva passa e a vida fica.”
「10まで数えよう。怒りは過ぎ去り、命は残る。」

キャンペーンコーディネーターTaís Ferrazさんは語る。
「ブラジル人はもっと寛容と平和(tolerância e paz)を大切にしなければならない。ブラジルの殺人率を激変しなければ。ブラジルは世界でも有数の暴力事件の多い国だから。」

キャンペーンは期限を定めず、主に学校でビデオやパンフレットを使い、教育省と協力して行われる。