リオ・オリンピックは、誰が大統領か不明

ブラジル共和国大統領が弾劾されるかという政治の山場である。
もう何か、オリンピックもジカ・ヴィルスもどうでも良い、といった一事集中的加熱である。
実際、オリンピック・リオデジャネイロ大会が開かれる4カ月先の2016年8月に、誰が大統領になっているかは、今日現在のところ確定できない。

Governo trabalha para evitar 7 a 1; PMDB estranha silêncio de Lula
「政府は7対1を避けるべく運動する;PMDBはルラ(元大統領)の沈黙をいぶかる」
http://www.msn.com/pt-br/noticias/crise-politica/governo-trabalha-para-evitar-7-a-1-pmdb-estranha-sil%C3%AAncio-de-lula/ar-BBrKrLB

こういった記事の見出しがあった。
記事の略語PMDBとは、ブラジル民主運動党のことで、感想を言わせてもらえば、昔から「筒井順慶かPMDBか」というくらいの日和見政党なのであるが、というのも、いつの世でもちゃっかり権力側というか与党の一角を占めているような印象があるのだ。
この政党の歴史を詳しく調べたわけではないので、あくまでも印象であるが、その印象を多くのブラジル人が持っていることも事実である。

現在起きつつあることを、話を単純化した例で説明する。
3つの政党の力が拮抗している国があって、1位党と3位党が連立政権を組んだ場合に、1位党がスキャンダルとか失政をやらかして国民の信頼を失ったとき、3位党が離反して2位党とくっついて政権を覆すという状況に例えられる。
大筋ではこのとおりであるが、ブラジルの場合20以上の政党があるので、問題はもう少し複雑になる。

現在のブラジルの大統領弾劾手続では、大統領が罷免されると副大統領が昇格することになっている。
1992年、時のコロル大統領の弾劾では、副大統領イタマル・フランコが大統領になり、残っていた2年の任期を務めた。
PT(労働者党)のジルマ・ルセフ大統領が罷免されると、PMDB所属のミシェル・テメル副大統領が棚ぼた的に大統領となるので、PMDBは現在与党第2党であるのが、大統領を擁する与党第1党となってしまうので、「声に出しては言えないが本心は」、と言う段階はとうに通り越して、現在大臣職にある何人かを除けば弾劾賛成を叫び、弾劾成立の議席三分の二をめざして突進しているのだ。
守備側のPTは、PMDB離脱で空きになった役職をバラまきながら、ブラジル経済の調子が良かった時のルラ元大統領を議員説得役として大統領弾劾阻止を図っているのが現在の状況である。

7対1というのは、日本の熱心なサッカーファンも思い出すことと思う。
大抵のブラジル人が絶対忘れないだろう屈辱の夜のことだ。
あのときに書いたブログ記事は、「歴史に記憶される夜」であった。

その時以来、国際試合があって、応援が熱くなって非難合戦になってしまうようなときに、ブラジルの敵国、ここでは例として隣のアルゼンチンとしておくが、声を合わせて、「ウン、ドイス、トレス、クアトロ、シンコ、セイス」と1から6まで普通に数えてから、声を最大にして「セッチー」と叫ぶのがブラジル応援団への、最大の挑発となっているのである。
この数字はポルトガル語であるが、アルゼンチン人だったらスペイン語で叫ぶのではないかとは思うが、まあどちらでもよい。

調べてみると、日本のサッカー界に「ドーハの悲劇」が起きたのは1993年、22年も前の事件を形容する言葉が今でも感情をよみがえらせながら話されているのであるから、ブラジルで「セッチ・ア・ウン」が数十年にわたって何かというと口にのぼることになるのかもしれない。

ただし、将来のブラジルフットボールがそれより惨めな負け方をしなかったらとの条件はつくのである。

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