ブラジルは2020年に第4の産油国になる

ブラジルの将来にかかわることになる、今週の大きなニュースはこれだ。

ブラジル沖のプレサル層の油田の入札である。

プレサル pré-sal とは、海面から5千~7千メートルにあたる油層で、すぐ上に厚さ2千メートルの含塩層を持つためにこの名がある。
今回の入札対象は、サントス海盆(Bacia de Santos)の、リブラ油田(Campo de Libra)である。

リブラ油田は、リオデジャネイロ州東部海岸から南方170キロメートル沖の長さ35キロ、幅20キロの海域である。
この油田の推定埋蔵量は80~120億バレルとされている。
この埋蔵量は、今日までブラジルが生産してきた原油総量に匹敵する。

これまでの油田使用権についての契約は、regime de concessão 移譲制度といって、開発企業は政府に税金を支払う形である。
今回の新しい制度は、regime de partilha 利益分配制度といい、開発企業は、コスト分を引いた余剰(儲け)の原油(óleo excedente)の最低41.6%を政府に引き渡す形になる。

競争入札ではこの政府に引き渡すパーセンテージを競い、高いパーセントを提示した企業が落札することになる。

この2013年10月21日に、石油労働者、政党、中央労組、学生などの反対デモの中(警察発表で200名参加)、リオデジャネイロで行われた競争入札では、ただひとつのコンソーシアムが応札して、最低入札額、つまり上にある余剰原油41.6%を政府に渡す条件で、競争なしに落札した。
もともとブラジルの政府が過半数の株を保有するペトロブラス Petrobras が最低30%を保有することが条件になっていたのだが、落札したコンソーシアムの構成は次のようになった。

会社 持分
Petrobras ペトロブラス 40%
Shell シェル 英・蘭 20%
Total トタル 20%
CNPC 中国石油天然気集団公司 10%
CNOOC 中国海洋石油総公司 10%

ペトロブラスについては、最低割当30%プラス任意分10%で40%になる。

元々エクソンなど米国の石油メジャーは参加しないとみられていたのだが、日米の不在及び中国の大きな存在感が注目される。

コンソーシアムは契約調印時にボーナス150億レアルをブラジル政府に支払うことになっているので、ペトロブラスは60億レアルの出金となる。
この巨額支払金について、Mantegaブラジル蔵相は、ペトロブラスの支払能力について心配はないとインタビューで語った。
生産開始まで5、6年かかるとみられているから、それまで多額の投資のみで収入のない状態が続くので、体力のある企業しか参加できないわけだ。

「最初の一滴」と記事に書かれている原油の生産開始は2018年から、生産の最盛期は現在から15年後とみられている。
Libra油田の日産量試算は140万バレルとされ、ブラジルの産油国ランキングは大きく上昇する原動力となる。
2012年の世界第13位から、2020年にはLibra油田その他プレサルの生産を見込むと世界第4位に躍進する。

以下のリストは2012年のブラジル13位までに及ぶ産油国世界ランキング

1 サウジアラビア
2 ロシア
3 合衆国
4 中国
5 カナダ
6 イラン
7 アラブ首長国連邦
8 クウェート
9 イラク
10 メキシコ
11 ベネズエラ
12 ナイジェリア
13 ブラジル

ブラジルの原油生産量上昇や他産油国の生産量推移など、ランキング根拠の詳細はテレビ記事では不明である。
ブラジルの石油生産量の増大は喜ばしいが、そのころ人口動向や環境問題、原発問題、燃料や石油化学原料の代替が実用化されているかなど実に多くの未知数があり、石油は余っているか不足しているかも知れず、ブラジルが最盛期を迎えるのかどうか、正直わからない。

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