ブラジルの牛の降るまちを

フランスの作曲家ダリウス・ミヨー(Darius Milhaud)の作品に、バレエ音楽「屋根の上の牛」(Le Boeuf sur le toit)というのがある。
Wikipediaをみると、「ブラジルの大衆音楽や舞曲に強く影響されており(たとえば「屋根の上の牛」という題名は、ブラジルの古いタンゴに由来する)」と書いてある。
聞いてみると、ふわふわ、うきうきするような、浮遊感のある曲だ。
しかし現代ブラジルでは、昔より屋根が薄くなったからだろうか、牛は屋根をぶち破って家の中に落ちる。

13 July 2013 Last updated at 23:05 GMT
Brazilian man killed in his bed by falling cow
http://www.bbc.co.uk/news/world-latin-america-23303998
「ブラジルでベッドに落ちてきた牛により男性死亡」

ミナス・ジェライス州カラチンガ(Caratinga)の小さな家で、裏の牧草地で草を食んでいた体重1トンの雌牛が、アスベストの屋根を踏み抜き、ベッドで寝ていたJoão Maria de Souzaさん, 45歳の上に落下した。

ソウザさんは病院に運ばれたときは意識がはっきりしていて、一見して危険な徴候はなかったのに、医者に診てもらうまで長時間待たされた、と親族は語った。

ここで一つの問題が提起される。
ブラジルの公共医療の問題である。
病院に運ばれても医師不足、ベッド不足、機器・薬品不足などのため満足な医療が受けられないことがあるのだ。
それについては、先日のコンフェデレーションズカップ時期に合わせて起きた、全国の抗議デモの要求の一つとなったので、現在連邦政府は、医学部の就学年数を6年から8年に延長、最終2年を公共病院で実習してもらうという案や、連邦政府が月給1万レアルを負担して、医療過疎地に医師を雇い、地方自治体は住居食糧の負担をするという案が検討されている。

外国人医師の導入については、ブラジル人医師で医療過疎地の定員が埋まらない場合のみ、それを行う、ブラジルの医学部相当以上の教育の質が保証される国で医師資格を取得した者だけにブラジルでの医師就業を認める、ポルトガル語は必修と、連邦政府は提案している。
ということで、ブラジルのニュースでは、ポルトガルとスペインを想定していると解説した。
スペイン語でのコミュニケーションで苦労する必要はないが、スペイン語訛り・ポルトガル訛りのポルトガル語で会話することになりそうだ。
ブラジルの医師会は既得権が侵されると感じるのだろう、当然のように連邦政府の医療改革案に反対している。
これは全世界で普通に見られる反応だろう。

空から降ってきた牛の話に戻ろう。
地元メディアによると、この地方で同様の事件が起きたのは過去3年で今回が3回めという。
もっとも過去2回では死傷者は出ていない。

1回めには、屋根の下には誰もいなかった。
2回めの事件では、牛が落下した地点のすぐそばに赤ん坊と幼児が寝ていたが、奇跡的に無事だった。

BBC記事は、カラチンガは、ブラジルの伝統的酪農地域であるミナス・ジェライス州の丘陵地に立地すると結んでいる。
そんな断定をされても困る。
酪農の盛んな丘陵地だからといって、毎年のように牛が降ってくる場所は多くない。
家の裏の丘と家の屋根の位置関係は不明なので、草を食べている牛がどうして屋根の上へジャンプするのかも謎である。

そういえば、日本には「雪の降るまちを」という歌があったな。

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