ブラジル連邦共和国はどこにある?

ブラジル連邦共和国はどこにある?といっても、ブラジルがどこにあるかという問題ではない。
ブラジルの正式国名は、ブラジル連邦共和国、República Federativa do Brasilというのだが、どこでこの正式名を見ることができるだろうか。

普通の人にとって一番身近な公文書である、身分証明書から見てみよう。
ブラジル人の身分証明書(CARTEIRA DE IDENTIDADE)は、普通略してイデンチダージとよばれるが、緑色の枠部の上辺に、大文字のREPÚBLICA FEDERATIVA DO BRASILの文字が入っている。
裏面の同じ位置には、「全国土で有効」との文言がある。

ブラジル人の身分証明書を携帯していれば、Argentina, Bolívia, Chile, Colômbia, Equador, Guiana, Paraguai, Peru, Suriname, Uruguai e Venezuelaへの旅行においては、パスポート不要で入国できる。
つまり、全南アメリカ(中央アメリカは含まない)から、英領フォークランド諸島(ポルトガル語ではIlhas Malvinas)と仏領ギアナを除く、南アメリカの独立国11ヶ国である。
(上の国リストはブラジル外務省http://www.itamaraty.gov.br/temas/acesso-a-informacao/perguntas-frequentes-1/print-notaによる)
ただし、身分証明書は、有効で、状態がよく(ボロボロで判読不明でないということだろう)、写真が入っていて、所持人の本人確認が可能であるという条件がついている。
子供でも身分証明書は作れるが、大人になってから、証明書写真が現在とあまりに違いすぎているという場合には、とり直したほうが良さそうだ。
「全国土で有効」とあるが、大部分の南アメリカ地域では、ブラジル国土外でも有効といえよう。

まだ実物を見たことのない新しい身分証明書は、外国人身分証明書と同じように、顔写真、指紋、サインが合成プリントされたプラスチック一体カードで、ICチップまで搭載している。

ブラジルからみた外国人の身分証明書は、一番上にREPÚBLICA FEDERATIVA DO BRASILと大書され、次に外国人身分証明書(CÉDULA DE IDENTIDADE DE ESTRANGEIRO)と書かれている。

ちなみに、身分証明番号そのものは、ブラジル人向けがRG(Registro Geral – 一般登録)で、外国人向けがRNE(Registro Nacional de Estrangeiros)である。
ブラジルへ旅行しようと思っている人、身分証明書という意味で、”RG”(エヒジェー、つまりアルファベットの”RG”)と聞かれることがあるから、覚えておくと良い。
「日本からの旅行者だ」と言って、まあ言わなくてもいいけれど、パスポートを見せればOKである。

銀行口座開設をはじめ経済活動に必要なCPF(CADASTRO DE PESSOAS FÍSICAS)(法人に対する概念である)自然人登録は、最上段MINISTÉRIO DA FAZENDA(財務省)、二行目に少し大きく、Receita Federal(連邦税庁)次に大きな字でCPFと書かれる、クレジットカード大のプラスチックカードだ。
REPÚBLICA FEDERATIVA DO BRASILは、ここには現れない。

ブラジル人固有の証明書、選挙人証(TÍTULO ELEITORAL)、もブラジル人の身分証明書同様、緑色の枠上辺にREPÚBLICA FEDERATIVA DO BRASILと書かれている。
男性ブラジル人の兵役証明書、これは色々種類があるが、手元にある入隊免除証明書(CERTIFICADO DE DISPENSA DE INCORPORAÇÃO)には、どこにもREPÚBLICA FEDERATIVA DO BRASILの文言は入っていない。
一行目は、国防省(MINISTÉRIO DA DEFESA)、二行目にCERTIFICADO DE DISPENSA DE INCORPORAÇÃOとある。

ブラジルの一般パスポートは、以前は緑色の表紙で、上部にREPÚBLICA FEDERATIVA DO BRASIL、真ん中に国章、下部にPASSAPORTEとなっていたが、現在のものは、青表紙で、REPÚBLICA FEDERATIVA DO BRASILの上にMERCOSUL(南部共同市場)の文字が入っている。
EU諸国のパスポートに各国の言語で「欧州連合」、例えばポルトガルのパスポートに”UNIÃO EUROPEIA”と入っているのと似ている。

外国人でもブラジル人でも自動車の運転に必要な免許証は、CARTEIRA NACIONAL DE HABILITAÇÃO、略してCNH、もっと普通にはアビリタソンとかカルテイラ・デ・モトリスタ(carteira de motorista – 俗称であろう)といわれる。
これにも最上段にREPÚBLICA FEDERATIVA DO BRASILと書かれている。
警察の取締りで、運転免許証を見せてくださいという場合、「アビリタソン」、あるいは真ん中を略して「カルテイラ・デ・アビリタソン」と言われることが多いと思う。
いや、車の登録証と合わせて一単語で、「ドクメントス」(Documentos – 書類の複数形)ということのほうが多いか。
運転免許証と車両登録証と一緒に警官に渡せば良い。
車両登録証は裏面もあり折ってあるので、横着してカバーなどに入っているのをそのまま渡さず、全部出してから見せること。
警官との接触時間はできるだけ短く、心象はできるだけ良く、この原則はブラジルも日本も同じだ。
運転する人は覚えておくように。

上記いずれの書類にも、ブラジルの国章が入っている。
REPÚBLICA FEDERATIVA DO BRASILの文字が入っていないプラスチックカードのCPFは、その代償なのか、表面の右半分を国章が堂々と占めている。
あまりに大きくて、国章の中のリポンに書かれたREPÚBLICA FEDERATIVA DO BRASILの文字が読めるほどだから、「REPÚBLICA FEDERATIVA DO BRASILの文字が入っていない」という表現は当たっていないともいえよう。

紙幣はどうか。
書かれているのはBANCO CENTRAL DO BRASIL、ブラジル中央銀行のみで、REPÚBLICA FEDERATIVA DO BRASILの名はない。
しかし中銀総裁と、連邦政府の一部である財務相の二人の署名が入っている。

これらの公文書は、取得した時期によって書式の違いはあるので、ここに書いたのが全て通用するわけではない。
ブラジル人の新しい身分証明書では、RGに代わって、RIC (Registro de Identidade Civil)という語が使われている。「エヒジェー」の代わりに、「ヒッキ」が使われる日がそのうち来るのだろう。

どうして「証明書」を表すのに、ここに出てきただけで、carteira, cédula, título, certificadoといろいろあるのだろうか。
弁護士や法律家や言語研究者でない普通の人にとっては、これらの違いはあまり気にすることはないと思う。
そのうち調べることがあったら、別テーマとして取り上げるかもしれない。

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