恐怖の陸の地引網

ポルトガル語のアハスタル(arrastar)という動詞は、引きずるという意味だ。

その名詞形のひとつ、アハストン(arrastão)というと、辞書には「引きずろうとする激しい力」とでている。
トロール網や底引き網のこともアハストンという。
根こそぎ漁獲する、という印象だ。

地引網を行なっている地方が今どこにあるのかは知らないが、砂浜で地区の漁民家族が大集合して網を引き、浜に上がってくる網を見ながら、どれだけ魚がいるか期待に萌える楽しみな時間だろう。
しかし最近はこの単語の意味に好ましくないものが追加されて、残念ながら頻繁に使われている。
リオデジャネイロのコパカバーナは砂浜で、地引網はないのだが、新しいアハストンはときどきニュースになった。
最近は警察見回りが強化されたのか、あまり聞かなくなった。
それでも、砂浜でない場所でアハストンは起きる。

サンパウロ市南部の日本料理レストランに強盗グループが入ってアハストンを行った。
4人の強盗はピストルと軽機関銃!(submetralhadora)で武装しており、レジの現金と客の持ち物を強奪して逃走した。

15人の客が被害にあったのは、金曜日早朝、サンパウロ南部の上流地区、モエマ(Moema)のZeni Sushi(銭寿司と書くのであろう)。
普段は大雑把なブラジルの記事にしては、通り番地まで書かれている。

記事の写真を見ると、客は若者ばかりで、日本人顔は見られない。
まあそれだけ、日本食が日系以外のブラジル人の間にも普及しているということだろう。
日本人がよく行く日本食レストランと、ブラジル人が好む日本食レストランは異なるという事情もある。

警察によると、強盗グループは黒いHyundai I30で乗りつけた。
犯人の一人が車で待機している最中、ピストルと軽機関銃を持った3人がレストランに入り、従業員と客を制圧した。

強盗団は、レジの現金と客の持ち物を奪い逃走した。
強盗団は、大胆にも目出帽など使わなかった、ということは(備え付けてあったならば)防犯カメラに素顔がとらえられているだろう。
現在のところ誰も捕まっていない。

これが困ったことに、現在の陸(おか)での地引網である。

(http://ultimosegundo.ig.com.br/brasil/sp/2012-12-07/grupo-faz-arrastao-em-restaurante-japones-na-zona-sul-de-sao-paulo.htmlを参考)

なお、アハストンの新しい意味には、良いものもあって、音楽や宗教行事などで浜や通りを埋め尽くした群衆が歓喜の中で行列することもさす。

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恐怖の陸の地引網」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: ブラジルの集客施設での心がけ | Caiu o mico

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