サンバの極意は女尻振り、男ちょいワル

クラブの行事で、Oficina de dançaつまりダンス・ワークショップがあった。

ブラジルのテレビGloboの日曜番組 Domingão do Faustão「大ファウストの大日曜日」というのがある。
太めのパーソナリティ、ファウスト氏のでっかい日曜日というバラエティ番組だ。
ダンスインストラクターが俳優など有名人とペアを組み、有名人を指導して毎週定められる課題音楽でペアダンスの上手さを競う勝ち抜き戦、Dança dos famosos「有名人のダンス」というコーナーで、2012年準優勝した、リオ・デ・ジャネイロから来たインストラクター Patrik Carvalho氏が講師というのが売り物だ。

朝食というか、朝のコーヒータイム(café da manhã)があるというのにつられて、朝8時に着いたが、カフェの準備はできているのに、だれもいない。
夏時間に突入して最初の朝、つまり日曜日の朝8時という時刻は、昨日までだったら7時であったのだから、わざわざ日曜に朝1時間早起きして行こう、と考えたブラジル人は非常に少なかったということだ。
三々五々集まってきた人々が食事を始めたのは、定刻を30分以上過ぎたころだったろうか。
テーブルと椅子にはかなりの空きが見えたものの、実際にダンスを習うスペースが小さかったせいか、ステージ前のスペースは人で一杯の盛況、熱気にあふれていた。

どんなものが題材になって、どんなふうに進められたのか簡単に書いてみよう。

一番目の題材はサルサ Salsaである。
サルサはスペイン語で歌われて、ブラジルからでたものではないのだが、ダンスの一つのステップとして認知されているようで、その点では日本のダンスと同じようなものかもしれない。
ステップとして簡単なのかは分からないが、Wikipediaをみると、これを踊れれば、コロンビア、ベネズエラやキューバ、パナマのような中南米だけでなく、アメリカ(合衆国)の中のニューヨーク、プエルトリコのヒスパニック系の音楽シーンをカバーすることができる、いわば習っておけば通用範囲が広い、スペイン語そのもののようなダンス音楽である。

インストラクターが交代して、二番目の題材はフォホー Forróである。
これは、一番目のサルサとは異なって、ブラジルは北東部 (nordeste)発祥の、かなり土着性の強い音楽であったものだが、最近はブラジルのどこでも聞いたり踊ったりするようになっている。
土着フレーバーの強い演奏では、アコーディオン(sanfona)によるメロディーと、トライアングル(triângulo)の刻むリズムが印象的だ。
これがうまく踊れたら、とくにブラジルのセルトン(sertão)のような田舎での、例えば6月祭(festa junina)といったブラジル奥地気分満々の場面で、注目を浴びること間違いない。

そして最後に出てきたステップがサンバ Sambaである。
ブラジルと言ったらサンバ、という常識的というか条件反射的回答をする人は多いと思う。
まあ今日のインストラクターはリオから来たのだし、サンバと言ったらリオデジャネイロが本場というのが、ブラジルでも常識になっている。

昔からブラジルの観光コースには、リオデジャネイロのサンバショーというのは定番になっているし、最近ではリオやサンパウロのカーニバルの主役であるエスコーラ・ジ・サンバ(escola de samba)でも、練習風景やリハーサルなどが観光客に向けて公開されているところもあるらしい。
ステップなど何にも知らないまま、サンパショーの舞台とかエスコーラの練習場(barracão)なんかに急に担ぎ出されて、ステップの前後左右全くわからないまま、拍遅れで真似踊りしたり、開き直って盆踊りを踊るよりも、多少ともブラジル人インストラクターに教えてもらってから踊ったら、よりサンバ気分満点となること疑いなしだ。

どの題材の訓練でも共通しているのは、一つの踊りのステップを4つの同じ長さの基本的なエレメントに分解して、最初は一つ、次は1つ目と2つ目をつなげて、次は、1つ目と2つ目と3つ目を通して、最後に1, 2, 3, 4と通しで踊るようにするという方法だ。
それぞれのエレメントは、例えは1つ目は前後移動、2つ目は左右移動、3つ目は回転運動といった具合に、それぞれ8拍の長さになっている。

サンバは、男ステップと女ステップが異なっている部分がある。
この教授説明が面白かった。

女性はrebolar(ヘボラール)、葡和辞典を見ると、腰などを振る、とある。
ずばり、尻を左右に振ることだ。
男性が尻を振り過ぎたらいけないよ。

男性はmalandro(マランドロ)、辞書にはごろつき、悪党、無頼漢とか悪い意味しかない。
ここでは、ちょいワルとしておこう。
女性の後を追って歩いてから、8拍目にワッとびっくりするんだ。
女性の肉感的魅力に、すなおにびっくりして表現するのがブラジルのちょいワルなのだろう。

そして、上半身の動きはpirraça(ピハッサ)、辞書を見ると人を困らせる行為、意地悪、いやがらせとある。
誰でも子供の時は駄々をこねていやいやをしただろう、いやいや(pirraça)、いやいや(pirraça)、いやいや(pirraça)、いやいや(pirraça)をしなさい。
間違ったサンバは、手と足と同じ方向へ踊ることだ、だから右足を出すときには手は左方向へ振りなさい。
といったように非常にわかりやすい。
だからといって、しろうとがすぐにうまく踊れるものではないのだが。

始まるまではそれほど期待していなかったが、実際はとても楽しい行事であった。
観光業界の人よ、ブラジルのリオなどのダンス教室とタイアップして、半日ブラジル人の教えるダンス教室で練習、夜はエスコーラ・ジ・サンバのリハーサルに参加なんていうツアーはいかがだろうか。
カーニバルとワールドカップやオリンピックとは、時期がずれてしまうのは難点ではある。
ワールドカップやオリンピックのツアーに組み込んだら、ブラジルと聞いて思い浮かぶ象徴の二つである「フットボール(サッカー)」と「サンバ」が含まれる体験型旅行として受けると思う。

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