カトリック社会における妊娠中絶

2012年4月12日連邦最高裁判所(Supremo Tribunal Federal)は、無脳症(po. anencefalia, en. anencephaly)の胎児の妊娠中絶(interrupção da gravidez)を認める決定をした。

無脳症の胎児は、頭蓋骨上部が発達せず、脳の大半が欠けているので、誕生しても通常数時間で死亡する。

この裁決の出るまでは、胎児に脳がないことが判明して、中絶を希望する妊婦は、複数の医師の診断書をもって裁判所に訴え出て、その裁決を待たなければならなかった。
判事によってこの裁決にかかる時間は大きく異なって、72時間で判決が出ることもあれば、数ヶ月もかかることもあった。
今回の最高裁の判決により、妊婦は診断があれば司法に訴える必要なく、合法に妊娠中絶できるようになった。

カトリック教会は、妊娠中絶には反対の意見を表明していた。
大多数の国民がカトリックで、教会が世論結成に大きな力を占めるブラジルで、中絶が合法に認められる第3の例となった。
他の2例とは、強姦によって妊娠した場合と、妊娠の継続が母体に危険を及ぼす場合である。

最高裁の無脳症胎児妊娠中絶合法裁定を受け、連邦医学審議会(Conselho Federal de Medicina)は、胎児の無脳症診断の新しい基準を審議する委員会の開設をこの13日に発表した。

(Globo Jornal Hoje Edição do dia 13/04/2012 13/04/2012 13h56 – Atualizado em 13/04/2012 13h59
http://g1.globo.com/jornal-hoje/noticia/2012/04/conselho-de-medicina-cria-comissao-para-redefinir-criterios-d-anencefalia.htmlを参考)

ところで最近隣国アルゼンチンで、レイプによって妊娠した女性の中絶請求が当国の最高裁に認められた例があった。

(レイプ被害者の中絶容認 アルゼンチン
2012.3.14 10:09 [南北アメリカ]
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120314/amr12031410110001-n1.htm)
記事によると、アルゼンチン最高裁は13日、レイプ被害者の人工妊娠中絶を認める初の判断を示した。

ということは、同じカトリック社会でも、ブラジルはアルゼンチンと比較して、妊娠中絶が認められるケースが多少広いということになるのか。
強姦被害者の望まない妊娠中絶は、ブラジルでは既に認められていたからだ。

他のニュースで触れていたが、妊娠期にビタミンBの一種、葉酸(ácido fólico)の摂取によって無脳症を減らすことができるという。
保健所などが医学知見に基づいて、妊婦に食事栄養指導することによって障害を減少することができるなら、この方面に力を入れてほしいものだ。

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